公務員試験 H29年 国家一般職(行政) No.35解説

 問 題     

ある企業が独占的にある財を供給しているとする。この独占企業が直面している需要関数が,

Q = 60 – 2P (Q:需要量,P:価格)

であるとする。また,この独占企業の総費用関数が,

C = X2 + 6X + 8 (C:総費用,X:生産量)

であるとする。このとき,独占市場の均衡における総余剰の大きさはいくらか。

1. 16
2. 96
3. 112
4. 128
5. 208

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

独占市場なので、その1社は需要曲線を知っています。そして、利潤を最大化しようとします。独占ときたら、まずこの流れを思い出します。次の step は、利潤を問題文の式から求めることです。

Q = 60 – 2p を、p について解けば、p = -Q/2 + 30 です。生産量を X とおくと「p × X」が売上です。生産量 X と需要量 Q を一致させるように生産すると考えられるため、以降 Q = X として考えます。

利潤 = 売上ー費用 です。従って、利潤は (-X/2 + 30)X ー (X2 + 6X + 8) です。式を整理すると、利潤は -3X2/2 +24X -8・・・(1) です

利潤最大化する X を求めるために(1)を微分し、0となるような X を求めます。以下のように計算を行い、X = 8 とわかります。この時、X = Q なので、Q = 8 です。代入すれば、p = 26 となります。

次に総余剰の大きさを考えます。需要曲線と限界費用曲線をグラフにして表します。限界費用曲線とは、総費用関数を微分したものです。総費用関数が問題文より C = X2 + 6X + 8 なので、限界費用曲線 MC = 2X + 6 です。下図のように表すことができます。

実際の価格は p = 26 で、 生産量 X = 8 でした。従って、X = 8 をグラフに書き込み、現れた台形部分の面積が総余剰となります。

以上より、正解は 3 です。

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