公務員試験 H29年 国家一般職(行政) No.30解説

 問 題     

親族に関する次の記述のうち,妥当なのはどれか。

1.親族は, 6 親等内の血族及び3 親等内の姻族とされており,配偶者は1 親等の姻族として親族に含まれる。

2.血族関係は,死亡,離縁及び縁組の取消しにより終了するため,養子と養親の血族との血族関係は,養親の死亡により終了する。

3.養子は,養子縁組の日から養親の嫡出子の身分を取得し,養子縁組以前に生まれた養子の子は,養子縁組の日から当該養親と法定血族の関係が生じる。

4.自然血族は,出生による血縁の関係にある者をいうが,婚姻関係のない男女から生まれた子については,認知がなければ父や父の血族との血族関係は生じない。

5.姻族関係は,婚姻により発生し,離婚,婚姻の取消し及び夫婦の一方の死亡により当然に終了する。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

選択肢 1 ですが
民法 725 条によれば、「六親等内の血族、配偶者、三親等内の姻族」が親族です。配偶者が1親等の姻族というわけではありません。選択肢 1 は誤りです。

ちなみに、親等の数え方は「親子関係を1マスとして数えていく」というものです。夫婦についてはマスを数えずに移動できると考えればよいです。例えば、本人と兄であれば、本人→親→兄と数えるので2親等です。いとこ、すなわち、両親の兄弟の子どもであれば、本人→親→祖父母→親の兄弟→いとこ とたどり着くので4親等です。

選択肢 2 ですが
養子縁組をした後に養親(養父、養母)、養子どちらか一方が先に亡くなっても、養子関係は継続されます。「養親の死亡により終了」ではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
判例によれば、縁組後に生まれた養子の子と、養親等の間は法定血族関係が生じます。しかし、縁組「前」に生まれた養子の子であれば、養子の子と養親等の間には、法定血族関係は認められません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当です。
婚姻関係なき子である非嫡出子については、認知がないと、父側との血族関係が生じません。

選択肢 5 ですが
夫婦の一方が死亡した時、原則として姻族関係は「継続」します。終了させたいと考えるときは、姻族関係終了届を提出します。(民法 728 条)。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 4 です。

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