公務員試験 H29年 国家一般職(土木) No.38解説

 問 題     

高潮に関する次の記述の㋐、㋑、㋒に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「台風や低気圧の通過によって潮位が( ㋐ )より高くなる現象を高潮という。高潮の主な発生原因は、気圧の低下による吸上げと強風による吹寄せである。

( ㋑ )は沿岸域の地形や水深の影響を受け、水深が浅い海域が広大になるほど( ㋑ )による海面上昇は増大する。

海面気圧が1hPa低下して十分に時間が経過し海面が定常状態になったとき、吸上げによる海面上昇量はおよそ( ㋒ )になる。」

    ㋐      ㋑    ㋒

1.推算天文潮位   吹寄せ  1cm

2.推算天文潮位   吹寄せ  10cm

3.推算天文潮位   吸上げ  1cm

4.朔望平均満潮位  吹寄せ  10cm

5.朔望平均満潮位  吸上げ  1cm

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

風により生じた波は、海底の影響(浅海効果)を受けて水深が浅い海域で波高が高くなることが知られています。従って、㋑が吹寄せです。

㋒で、「気圧 1hPa 低下で10cm 海面上昇する」と仮定すれば、高気圧 → 台風で100hPa 程度気圧は変わるから、その際に1000cm = 「10m」海面上昇することになります。

吸い上げの影響だけで 10m 上昇はさすがに大きすぎます。よって 1cm と考えられます。

以上より、㋑が吹寄せ、㋒が 1cm なので、正解は 1 です。

ちなみに、朔望平均満潮位(さくぼうへいきんまんちょうい)とは、朔(新月)および望(満月)の日から前2日後4日以内に観測された各月の最高満潮面および最低干潮面を、1年以上にわたって平均した高さの水位のことです。

また、天文潮位とは、気圧や風の影響による変化を受けない平常時における月や太陽の潮汐力から予測した潮位のことです。

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