公務員試験 H28年 国家専門職(食品衛生監視員) No.3微生物学Ⅱ(2)解説

 問 題     

細菌の増殖に関する次の記述の Ⓐ~Ⓙ に当てはまるものを語群から選び出し、それぞれの番号を記せ。

「試験管やフラスコ内で液体培地に細菌を接種し、培養したときの培養時間と生菌数の関係を表した図を増殖曲線という。

細菌を接種した場合、 Ⓐ と呼ぶ時期を経た後に、細菌がⒷ するⒸ となる。その後、細菌の増殖速度がⒹ するⒺ を経て生菌数がⒻ するⒼ となる。

細菌の増殖に影響を与える主要な因子としては、温度があり、細菌が増殖するのに最も適した温度が10~20 ℃ の細菌をⒽ という。温度以外の因子としては、酸素が挙げられるが、酸素の有無にかかわらず増殖できるⒾ もいる。その他の因子には、二酸化炭素、 Ⓙ などがある。」

<語群>①低下、②上昇、③偏性嫌気性菌、④通性嫌気性菌、⑤誘導期、⑥静止期、⑦対数増殖期、⑧死滅期、⑨水素イオン濃度、⑩日光、⑪増殖、⑫減少、⑬低温細菌、⑭中温細菌、⑮高温細菌

 

 

 

 

 

 解 説     

増殖曲線の概略図は、以下のようになります。

A の時期が誘導期(lag phase)です。増殖の準備をしているため、菌数は変化しません。Bの時期が対数期(log phase)です。細菌が倍々に増えていきます。栄養不足、過密などの理由で、分裂と死滅の速度が等しくなってくると、C の静止期(stationary phase)です。最後に生菌数が減少していくDの死滅期(death phase)となります。

細菌の増殖には、温度、CO2 濃度、pH などの様々な要因が関与します。 ほんの少し温度を変えただけで、全然増えなくなったり、急に培養液がかつてない濁りを見せたりすることがあります。

以上より
A 誘導期 ⑤
B 増殖 ⑪
C 対数増殖期 ⑦
D 低下 ①
E 静止期 ⑥
F 減少 ⑫
G 死滅期 ⑧
H 低温細菌 ⑬
I 通性嫌気性菌 ④
J 水素イオン濃度 ⑨ です。

ちなみに、I の代表例は黄色ブドウ球菌です。

類題 H26 No3Ⅱ(1)

コメント