公務員試験 H28年 国家専門職(食品衛生監視員) No.2食品化学Ⅱ(2)解説

 問 題     

TCA 回路に関する次の記述のⒶ~Ⓙに当てはまるものを語群から選び出し、それぞれの番号を記せ。

「TCA 回路は、Ⓐ のアセチル基を二酸化炭素とⒷ に完全酸化する代謝経路のことである。TCA 回路の酵素反応の段階として、第1 段階はⒸ による反応であり、Ⓒ は、Ⓐ とⒹ のⒺ 縮合を触媒する。

第2 段階はアコニターゼによる反応であり、アコニターゼは、Ⓕ から水分子が立体特異的に脱離する反応を触媒して、cis ーアコニット酸が生成される。

第3 段階は、Ⓖ による反応であり、Ⓖ は、イソクエン酸から CO2 分子が脱離する反応を触媒して、Ⓗ が生成される。

第4 段階では、第3段階で生成されたⒽ の酸化的脱炭酸により、Ⓘ が生成される。この反応は、Ⓙ 、FAD、CoA、NAD+ を補酵素とする。」

<語群>①aーケトグルタル酸、②オキサロ酢酸、③デヒドロ酢酸、④クエン酸、⑤フマラーゼ、⑥ATP、⑦TPP、⑧酸素、⑨水、⑩水素、⑪アルドール、⑫インドール、⑬パラフィン、⑭クエン酸シンターゼ、⑮イソクエン酸デヒドロゲナーゼ、⑯リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、⑰アセチル-CoA、⑱スクシニル-CoA

 

 

 

 

 

 解 説     

TCA(tricarboxylic acid) 回路 は、酸素を用いる好気的代謝の重要なモジュールです。解糖系によってグルコースがピルビン酸に代謝されますが、ピルビン酸→アセチルCoA を出発物質として、オキサロ酢酸にアセチル CoA がアルドール縮合して組み込まれる所から反応はスタートします。この反応は、クエン酸シンターゼにより触媒されます。できあがるのがクエン酸です。

クエン酸は、アコニターゼにより脱水されて、cisーアコニット酸ができます。
次に、イソクエン酸デヒドロゲナーゼによって、脱炭酸を受け、αーケトグルタル酸が生成されます。

そして、さらに酸化的脱炭酸によって、スクシニル CoA となります。以下、いろんな代謝を受けて、オキサロ酢酸へと戻ったところで、回路1サイクルを形成します。補酵素として、TPP (Thiamine pyrophosphate:チアミンピロリン酸)などが必要です。

以上より
A アセチルCoA ⑰
B 水 ⑨
C クエン酸シンターゼ ⑭
D オキサロ酢酸 ②
E アルドール ⑪
F クエン酸 ④
G イソクエン酸デヒドロゲナーゼ ⑮
H αーケトグルタル酸 ①
I スクシニルーCoA ⑱
J TPP ⑦ です。

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