公務員試験 H28年 国家一般職(高卒 基礎) No.28解説

 問 題     

江戸時代の政策に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.徳川綱吉は,足高の制を採用して柳沢吉保や新井白石などの有能な人材を広く登用し,彼らの助言に従って,生類憐みの令を廃止した。

2.徳川吉宗は,享保の改革を行い,飢饉に苦しむ農民に米を支給する上げ米を実施するとともに,参勤交代を廃止して諸大名の負担の軽減を図った。

3.田沼意次は,上知令を出し,庶民に厳しい倹約を命じた。また,幕府財政の再建のために,印旛沼の干拓を中止し,支出の削減に努めた。

4.松平定信は,寛政の改革を行い,旧里帰農令を出して江戸に流入した没落農民の帰村や帰農を奨励した。また,寛政異学の禁を発し,朱子学を正学とした。

5.水野忠邦は,天保の改革を行い,株仲間を結成させ,商品の流通を促進して商業を活性化させた。また,棄捐令を出して札差の救済を図った。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

選択肢 1 ですが、足高の制は、8 代吉宗の享保の改革の一部です。また、 5 代綱吉は、生類憐れみの令を「発令」です。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが、「上げ米」は、財政対策です。米の代わりに参勤交代短縮する制度です。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが、「上知令」は、水野忠邦による天保の改革における財政再建策です。また、田沼意次は、印旛沼開拓を奨励し、税の増収を図りました。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は、妥当な記述です。

選択肢 5 ですが、水野忠邦は、株仲間「解散」です。また、「棄捐令(きえんれい)」は、寛政の改革における旗本・御家人救済策です。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 4 です。

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