公務員試験 H28年 国家一般職(高卒 基礎) No.26解説

 問 題     

16 世紀以降のヨーロッパにおけるキリスト教に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.16 世紀初め,教皇が唱える予定説に反対したルターが,ドイツで95 か条の論題を発表し,農民戦争を起こすと,宗教改革の動きはヨーロッパ全土に広がった。

2.16 世紀中頃,スイスではルターの影響を受けたカルヴァンが改革運動を開始し,イエズス会を結成して,世界各地で布教活動を行った。

3.16 世紀前半のイギリスでは,国の宗派がカトリックからプロテスタントに改められたことに国民が反発し,ピューリタン革命が起きて,イギリス国教会が成立した。

4.16 世紀後半のフランスでは,ユグノーと呼ばれたカルヴァン派とカトリックが対立し,ユグノー戦争が起きたが,ナントの王令(勅令)で信仰の自由が認められ,内戦は終結した。

5.17 世紀には,ヨーロッパ内で新教国と旧教国が対立した三十年戦争が起きた。戦争はフランスなどの新教国側が勝利し,旧教国である神聖ローマ帝国は崩壊した。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

選択肢 1 ですが、「予定説」は、ルターの宗教改革の流れを受けて、スイスでカルヴァンにより提唱された説です。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが、「イエズス会」は、対抗宗教改革の一つの運動体です。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが、イギリス国教会は、ヘンリ 8 世離婚問題に端を発し、色々あって、エリザベス 1 世の諸改革により、イギリス国教会制度が成立しました。信仰内容がポイントではない点が特徴です。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は、妥当な記述です。

選択肢 5 ですが、三十年戦争は、途中から宗教対立関係なく、国際的対立へと変わっていきます。よって「新教国の勝利」というのは明らかに誤りです。また、フランスは旧教国です。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 4 です。

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