公務員試験 H28年 国家一般職(教養) No.36解説

 問 題     

世界の大地形に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.オーストラリア大陸のようなプレートの境界に当たる地域を変動帯といい,火山や断層が多く,地殼変動が活発である。一方,南アメリカ大陸のような安定大陸は,地殼変動の影響を受けないため地震や火山活動はほとんどなく,新たに変動帯になることはない。

2.プレートどうしが反対方向に分かれて離れていく境界は「広がる境界」と呼ばれ,主に陸上にあり,アフリカ大陸のサンアンドレアス断層に代表される。そのような断層の周辺では何度も大きな地震が起きている。

3.海洋プレートが大陸プレートの下に潜り込むと海底には海嶺が形成され,これが長期間かけて陸上に隆起すると,弧状列島という弓なりの島列や火山列が形成される。ハワイ諸島はその典型例であり,キラウエア山などでは火山活動が活発である。

4.大陸プレートどうしがぶつかり合うと,一方が他方に向かってのし上がる逆断層が生じたり,地層が波状に曲がる褶曲が起きたりする。これらにより,ヒマラヤ山脈やアルプス山脈のような高く険しい山脈が作られる。

5.二つのプレートが互いに異なる方向にすれ違う「ずれる境界」では,正断層が生まれ,活断層による大規模な地震が頻発する。アイスランド島では,プレートの「ずれる境界」に沿ってトラフと呼ばれる裂け目ができ,線状噴火を起こす火山が見られる。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

オーストラリア大陸は、ほぼ安定陸塊です。少なくとも変動帯ではないと判断できるのではないでしょうか。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2,5 ですが、広がる境界の例は、アイスランド島や、紅海~東アフリカ大地溝帯です。サンアンドレアス断層は「ずれる境界」の例です。よって、選択肢 2,5 は誤りです。

選択肢 3 ですが、広がった海洋プレートが大陸プレートの下に潜り込んでできるのは「海溝」です。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は、妥当な記述です。

以上より、正解は 4 です。

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