公務員試験 H28年 国家一般職(教養) No.31解説

 問 題     

次は,物体に加える力がする仕事に関する記述であるが,A,B,Cに当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。ただし,重力加速度の大きさを10 m/s2 とする。

「図のように,10 kg の物体をある高さh〔m〕までゆっくりと引き上げることを考える。傾斜角30°の滑らかな斜面に沿って物体を引き上げる場合,物体を真上に引き上げる場合に比べて,必要な力を小さくすることができるが,物体を引き上げる距離は増加する。

このとき,物体を真上に引き上げたときの仕事W 及び斜面に沿って引き上げたときの仕事Wlは,それぞれ次のように表すことができ,W =W‘となる。

  • W= A 〔N〕 ☓ h 〔m〕
  • W’= B 〔N〕 ☓ h’ 〔m〕

また,図の斜面の傾斜角を60°とすると,斜面に沿って物体を引き上げるのに必要な力は,C 〔N〕となる。このように斜面を用いることで,必要な力の大きさを変化させることができるが,仕事は変化しない。」

  •  A   B   C
  1. 100  50   50√2
  2. 100  50   50√3
  3. 100  50√2  50√3
  4. 200  100    100√3
  5. 200  100√2  100√3

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

仕事 = 力×距離です。また、力 F = ma です。これらは基礎知識です。

真上に上げる時に必要な力は、10kg の物体にかかる下向きの力と等しいです。10g なので、100 N です。よって、A は 100 です。正解は 1~3 です。

B ですが、斜面方向の力は、下図のように力を斜面方向と、斜面に垂直な方向に分解することによって 50 N とわかります。よって、正解は 1 or 2 です。

斜面の傾斜角が 60° になると、同様に考えて、「比で言う√3」 の辺が斜面方向となるので、必要な力は 50√3 です。以上より、正解は 2 です。

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