公務員試験 H28年 国家一般職(教養) No.28解説

 問 題     

我が国の教育政策等に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.中学校夜間学級(夜間中学)とは,義務教育を修了したものの学び直しの機会を求める人のために設けられた特別の学級である。平成26 年の文部科学省による調査の結果,高齢者を中心に設置の要望が高いことが判明したため,国は,各都道府県に1 校しかない公立の夜間中学を増やす方針を示した。

2.教育委員会とは,都道府県及び市町村等に置かれる合議制の執行機関である。平成27 年4 月からは,教育行政の責任体制を明確化するため,教育委員長と教育長を一本化した新たな責任者である「教育長」を置くこととされた。

3.学習指導要領は,教育課程を編成する際の基準であり,どの学校でも一定水準の教育を受けられるよう,都道府県ごとに定められている。平成30 年度からの新学習指導要領では「キャリア教育」が高等学校における教科として実施されることとなった。

4.教科書検定とは,都道府県の教育委員会が各学校で教科書として使用するか否かを審査する制度である。教科書検定は,学習指導要領の改訂に合わせて行われており,平成27 年には,検定基準が改正され,新たに「デジタル教科書」についても検定の対象となった。

5.いじめとは,「学校内において,自分より弱い者に対して一方的に,身体的・心理的な攻撃を継続的に加え,相手が深刻な苦痛を感じていると学校がその事実を確認しているもの」をいう。平成27 年のいじめ防止対策推進法で,いじめの定義が明確にされるとともに,不登校の児童・生徒に対する支援策も規定された。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

選択肢 1 ですが、夜間中学は、様々な事情で義務教育が「修了できなかった人」のための学校です。各都道府県ごとに、最低1校を設置しようとしています。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は、妥当な記述です。

選択肢 3 ですが、学校指導要領は「文部科学省が告示するもの」です。また、H30 年度からの新しい教科は、現代社会に代わる「公共」です。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが、教科書検定は「文部科学大臣」が検定する制度です。都道府県の教育委員会ではありません。ちなみに、現状では、デジタル教科書については紙がデジタル化されているだけなので、検定不要となっています。

選択肢 5 ですが、いじめの定義に「学校が事実確認しているもの」というのは明らかに誤りと判断したいところです。

以上より、正解は 2 です。

コメント