公務員試験 H28年 法務省専門職員 No.52解説

 問 題     

次は,G.ジンメルに関する記述であるが,A,B,Cに当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

G.ジンメルは,複雑化する社会における個人の問題に関心をもち,社会実在論と社会名目論を共に排し,広義の社会を諸個人間のA として捉えた。そしてこのA の示す様式を社会化のB と呼び, B 社会学を成立させた。

彼は,社会化のB を経済,宗教などの社会化の内容から区別して研究することによって,社会学を他の社会諸科学から区別された特殊専門科学として樹立することができると主張し,『C 』などを著した。

A B C
1.機械的連帯  歴史  社会学
2.機械的連帯  歴史  社会学的方法の規準
3.機械的連帯  形式  社会学的方法の規準
4.心的相互作用 歴史  社会学的方法の規準
5.心的相互作用 形式  社会学

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

ジンメルの社会学は「形式社会学」と呼ばれます。ジンメルは、社会を「個人から離れて実体的に存在しているのではなく、人々の相互行為コミュニケーションによる結びつきによって成り立っている」と考えました。ちなみに、「機械的連帯」を提唱したのはデュルケームです。A は「心的相互作用」、B は「形式」が妥当です。

C ですが
「社会学的方法の基準」は、デュルケームによる著書です。近代的社会学に固有の対象としての「社会的事実」の存在を宣言しました。ジンメルの著書は「社会学」です。

以上より、正解は 5 です

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