公務員試験 H28年 国家一般職(行政) No.47解説

 問 題     

マーケティングに関する次の記述のうち,妥当なのはどれか。

1.企業がマーケティング戦略の目標を達成するために統制可能な要素には,品質,コスト,納期の三つがあり,これらの組合せをマーケティング・ミックスと呼ぶ。これらの要素については,顧客が直接的に観察することは困難である。

2.製品の種類は,使用目的によって耐久財と非耐久財に,使用期間によって生産財と消費財に分類される。使用目的が個人消費である場合には耐久財,事業用途である場合には非耐久財となり,使用期間が長いものは生産財,短いものは消費財となる。消費財については,消費者の購買習慣に基づいて更に分類され,価格帯の高い順に,最寄品,買回品,専門品と呼ばれる。

3.価格の設定方法の基準には,コスト,他企業との競争状況,消費者心理などがある。コストに基づく設定には,原価に一定の利益を加えるプレミアム・プライシングがあり,他企業との競争に基づく設定には,端数をつけて割安感を出す端数価格や,あえて高価格にして商品価値を高める威信価格がある。また,消費者心理に基づく設定には,需要の価格弾力性に応じた価格差別がある。

4.広告は,訴求の対象や方法などによって分類され,自社ブランドの品質やコストの優位性を訴求するのが比較広告であり,競合ブランドに対する自社ブランドの優位性を訴求するのが説得型広告である。このほか,製品ライフサイクルとの関係でみると,導入期にはブランド・ロイヤルティの維持を目的とするリマインダー型広告が有効とされ,成熟期には製品・サービスに関する情報を訴求する情報提供型広告が有効とされる。

5.セグメンテーション変数は,全体市場を幾つかの部分市場に区分するための基準であり,代表的なものとしては,地域や人口密度などの地理的変数,年齢,性別,世帯規模などのデモグラフィック変数,価値観や社会階層などのサイコグラフィック変数,購買状況や使用頻度などの行動変数の四つがある。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

選択肢 1 ですが
マーケティング・ミックスとは、マーケティング・ツールを組み合わせることです。代表例として、4P:製品、価格、流通、プロモーション の組み合わせや、4P を顧客側から捉え直した 4:顧客価値、経費、コミュニケーション、利便性 の組み合わせがあげられます。品質、コスト、「納期」という組み合わせは妥当ではありません。また、品質について「顧客が直接的に観察することは困難」ではないと考えられます。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
製品は、使用「期間」により、耐久財と非耐久財に分類されます。使用「目的」によりって、生産財と消費財に分類されます。生産財は、商品や製品の生産に必要なものです。代表例は「スイッチ」などです。消費財は、完成品です。消費目的で購入する製品です。代表例は「テレビ」などです。消費財は更に、「単価が低い方」から、最寄品、買回品、専門品と分類されます。「高い順に、最寄品、買回品、専門品」ではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
プレミアム・プライシングは、競合他社よりも高い価格設定を行うことです。他企業との競争状況に基づく価格設定の1つです。端数価格は、消費者心理に基づく価格設定の1つです。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
「比較広告」と「説得型広告」が逆です。比較広告は、競合ブランドに対する自社ブランドの優位性を訴求します。説得型広告は、自社ブランドの品質やコストの優位性を訴求します。また、後半部分についてですが、製品ライフサイクルとの関係でみると、導入期に情報提供型広告、成熟期にはリマインダー型広告が有効とされます。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は妥当です。
セグメンテーション変数についての記述です。

以上より、正解は 5 です。

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