問 題
図Ⅰのように断面積が10cm2のピストン付きシリンダに理想気体が封入されている。シリンダの内部及び周囲の圧力は1.0×105Paであった。
いま、ピストン上にある質量のおもりを載せたところ、シリンダ内の気体の温度が変化することなくピストンがゆっくりと下がり、図Ⅱのようにピストンが初めの状態から1.0cm下がって静止した。
このとき、おもりの質量はおよそいくらか。
ただし、重力加速度の大きさを10m/s2とする。
また、シリンダ内壁とピストンの間には漏れ及び摩擦はなく、ピストンの質量は無視できるものとする。
1.0.55kg
2.0.86kg
3.1.1kg
4.1.4kg
5.1.8kg
解 説
理想気体 というキーワードからPV = nRT を思い出します。「気体の温度が変わらない」と問題文にあるため、PVが一定とわかります。
V は「100cm3」 から 「90cm3」 に9/10 倍になっています。よって、Pが10/9 倍になったとわかります。
さて、これが何 kg 分の荷重かという話です。
【解法1】
- 1Pa=1N/m2(ここを覚えている前提とします。)
- 1 Pa = 1N/10000cm2(1m2 を cm2 になおします。)
- 1.0 × 105Pa = 100000N/10000cm2
- 1.0 × 105Pa = 100N/10cm2
で、この圧力が10/9 倍になったのなら、増加分が 1/9。
100 × 1/9 ≒ 11.1N
F = mg で、g = 10 なので
m ≒ 1.1 kg
よって、正解は 3 です。
【解法2】
「水圧だったら、10mでちょうど大気圧の2倍」という知識を使って推測します。1cm 四方の空間に10m の水があれば、それが大気圧分ということです。
10m = 1000cm です。1cm 四方で高さ 10m ならば、その体積は ちょうど 1L です。水 1L は 1kg です。
従って、1cm2 に 1kg 乗ってれば大気圧です。1cm2 に 1×1/9 = 0.11kg をプラスすれば大気圧の 10/9倍になるとわかります。
10cm2 だったらその 10倍の1.1kg をプラスすれば OKです。
よって、正解は 3 です。
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