問 題
細菌の遺伝情報の発現に関する次の記述 A~M に当てはまるものを語群から選び出し、それぞれの番号を記せ。
遺伝子とは、染色体やプラスミド上の一定の領域を占める遺伝の作用単位であり、A,B されて、C,あるいは D をつくることによってその機能を発揮する。A とは、遺伝子の持つ情報が C に伝えられる段階をいい、この C の合成は E により行われる。また、 B とは、F のもつ情報が G 上で D に伝えられる過程をいう。
細菌においては、一連の代謝経路に関与する酵素群を支配する遺伝子群はまとまって存在し、一本の F として A されることが多い。このような A の単位を H という。この H の上流部分には I から F への A が行われる際の E の付着部である J がある。J の近辺又はその内部には F への A 開始を抑制したり、逆に促進したりする K タンパクの結合部も存在することが多い。このうち抑制に働く L タンパクが結合する場所を M という。
<語群>①複製、②転写、③翻訳、④修復、⑤RNA、⑥DNA、⑦ATP、⑧ヌクレオチド、⑨ポリペプチド鎖(タンパク質)、⑩tRNA、⑪rRNA、⑫mRNA、⑬オペロン、⑭レギュロン、⑮RNAポリメラーゼ、⑯DNAポリメラーゼ、⑰プロモーター、⑱オペレーター、⑲クローニング、⑳インデューサー、㉑リプレッサー、㉒複合、㉓調節、㉔活性化、㉕リボソーム、㉖ミトコンドリア
解 説
遺伝子は RNA ポリメラーゼによる転写(DNA→RNA)、リボソームにおける翻訳(mRNA→タンパク質)を通じて機能を発揮します。転写では、DNAの全塩基配列を転写するわけではなく、mRNA 合成の単位があり、それをオペロンと呼びます。
オペロン上流部には、RNAポリメラーゼ付着部であるプロモータと呼ばれる部位があります。ここには TATA ボックスと呼ばれる特徴的配列が見られます。周囲には転写因子(調節因子、調節タンパク質とも呼ばれます)結合部が存在することが多いです。特に転写抑制に働くリプレッサータンパク結合部位はオペレーターと呼ばれます。
以上より
A 転写 ②
B 翻訳 ③
C RNA ⑤
D ポリペプチド鎖(タンパク質)⑨
E RNA ポリメラーゼ ⑮
F mRNA ⑫
G リボソーム ㉕
H オペロン ⑬
I DNA ⑥
J プロモーター ⑰
K 調節 ㉓
L リプレッサー ㉑
M オペレーター ⑱ です。
ちなみに、⑭のレギュロンとは、「共通の転写因子、もしくは転写制御メカニズムで制御される遺伝子の一群」のことです。
コメント