公務員試験 H27年 国家専門職(食品衛生監視員) No.3微生物学Ⅰ(1)解説

 問 題     

細菌の発育に関する記述 ①~⑤ について妥当なものには ○ を、妥当でないものには × をそれぞれ記せ。

① 緑膿菌は42°C の条件下で発育できる。

② リステリア・モノサイトゲネスは4°C の条件下で発育できる。

③ 腸炎ビブリオは食塩濃度20%の条件下で発育できる。

④ セレウス菌は35°C の条件下で発育できる。

⑤ レジオネラ菌はpH 5の条件下で発育できる。

 

 

 

 

 

 解 説     

①は、妥当な記述です。
緑膿菌にとって体温が至適条件です。 42℃ぐらいであれば発育できます。55℃ 1時間の加熱で死にます。また、低温(4℃)ぐらいで増えなくなります。

②は、正しい記述です。
リステリアは、グラム陽性の桿菌です。低温増殖可能で、耐塩性も持ちます。芽胞は作りません。人畜共通感染症の1つです。

③ですが
腸炎ビブリオは好塩菌の一種です。とはいえ、10% 以上の濃度では発育できません。ちなみに海水の塩分濃度が、概ね 3~5 % 程度です。

④は、妥当な記述です。
セレウス菌は毒素の違いにより、下痢型と嘔吐型に分類されます。熱抵抗性があります。

⑤ですが
レジオネラ菌は増殖が難しく、 pH はほぼ 7 の環境下が必要です。ちなみに、マクロファージの中でも生き延びることができるという特徴があります。

以上より、①◯、②◯、③☓、④◯、⑤☓です。

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