問 題
肥料に関する記述として最も妥当なのはどれか。
1. 窒素肥料の主要な肥料として硫酸アンモニア(硫安)がある。水に溶けにくく肥効は緩効的である。施用によってアンモニア成分が残るために土壌のアルカリ化を招きやすい。
2. 世界で最も広く使われている窒素肥料は無機質肥料の尿素である。窒素含量が高く約80％ 以上の窒素含有率があることが特徴である。尿素は葉からは吸収されにくいので葉面散布には利用されない。
3. 過リン酸石灰(過石)は可溶性のリン酸を多く含み肥効は比較的速効的である。リン酸質肥料の中で広く使われているものである。一方熔成リン肥(熔リン)は肥効が緩効的で土壌改良資材としても利用される。
4. 窒素リン酸カリのうち２成分以上の肥料を混合したものを化成肥料という。化成肥料は粉末状のものが多く肥効は速効的である。
5. 肥料養分をゆっくりと放出するため肥効が長続きしかつ作物が濃度障害を起こしにくい高度化成肥料が近年よく使われるようになった。このタイプの肥料には被覆肥料(コーティング肥料)とBB 肥料(バルクブレンディング肥料)の二つがある。
解 説
選択肢 1 ですが、硫安は水に溶けやすく、速効性です。強酸と弱塩基の塩だから水に溶けると酸性です。よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが、尿素の窒素含有率は 46% です。「80%以上」ではありません。また、液肥として葉面散布します。よって、選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 は、妥当な記述です。
選択肢 4 ですが、化成肥料とは、窒素、リン酸、カリのうち２つ以上の無機物を含む複合肥料のことです。原料は「肥料」ではなく、「自然界の物質」であることが特徴です。よって、選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 ですが、記述はコーティング肥料についてと考えられます。「高度化成肥料」とは、成分含有率が高い肥料のことです。BB肥料とは、粒状の硫安等を単に配合したものです。よって、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 3 です。
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