問 題
果樹の栽培・経営上の特徴に関する記述として最も妥当なのはどれか。
1. 我が国における平成25年産りんごの品種別収穫量割合をみる、と約半数を早生品種の「ふじ」が占めており次いで晩生品種の「つがる」が多くなっている。リンゴ栽培で現在普及している矮性台木にはM系台木やマルメロ台木がある。
2. 世界で栽培されているナシにはニホンナシチュウゴクナシセイヨウナシがあるが我が国での栽培はニホンナシが主である。ナシの果実は台風など風害によって落果しやすく主に棚仕立てで栽培される。
3. ブドウは大別するとヨーロッパ系とアメリカ系に分類され概して前者は病害に対する抵抗性が強く後者は乾燥に強いという特徴を持つ。ブドウは挿し木で容易に繁殖するがブドウスカシバというアブラムシ科の害虫から根を守るため一般に台木を用いる。
4. 我が国で栽培されるモモの品種として「白鳳」や「白桃」などがある。モモは定植後結実するまでに5~6年かかり早期には収益が上がりにくいが、経済栽培の可能な期間が極めて長い。また1品種の収穫期間が長いので単一品種の大規模経営に向いている。
5. ウンシュウミカンは中国原産であり我が国で全国的に栽培されるようになったのは明治以降である。隔年結果が起こりやすく年による収量の変動を回避するため表年にはせん定を遅らせ込み合っている側枝のみ間引きせん定する。
解 説
選択肢 1 ですが
ふじ→つがる は正しいです。つがるも早生です。よって、選択肢 1 は誤りです。ちなみに「マルメロ台木」は西洋なしの台木です。
選択肢 2 は妥当な記述です。
選択肢 3 ですが
ブドウのヨーロッパ系の特徴は乾燥に強いことです。アメリカ系は湿潤に強いことが特徴です。よって、選択肢 3 は誤りです。ちなみに、ブドウスカシバは「スカシバガ科」の「ガ」です。髄を食害します。「根」ではありません。
選択肢 4 ですが
桃栗三年ということわざもあるように、定植後3年目ごろから実を得ることができます。「5~6年」という記述は妥当ではありません。よって、選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 ですが
ウンシュウミカンは中国の温州にちなんだ名前ですが、中国原産ではありません。よって、選択肢 5 は誤りです。隔年結果、すなわち収穫量が多い年と少ない年が交互に現れるのは正しい記述です。
以上より、正解は 2 です。
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