公務員試験 H27年 国家一般職(農学) No.17解説

 問 題     

我が国における野菜の播種と定植に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1. ペレット種子は気密性・防水性に優れた高分子物質などで種子の表面を覆い球状や円盤状に造粒したもので機械播種が容易である。

2. レタスは嫌光性種子のため、ペレット種子に適し、播種時は深めの覆土をし発芽後は遮光して軟弱徒長を促進させながら育苗する。

3. ホウレンソウでは発芽不良の問題を解決するためにプライミング種子や果皮を取り除いたネーキッド種子が利用される。播種作業を簡略化するためにシードテープが利用されることもある。

4. 全自動移植機や各種収穫機などの利用促進のために農林水産省によってトマトなど主要な野菜における畝幅株間や定植時期などの標準的な栽培様式が決定されている。

5. ダイコンは直根性であるためセルトレイでの育苗に適しており半自動移植機あるいは全自動移植機による機械定植が一般的である。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

選択肢 1 ですが
天然素材を主成分とする粉体を用い、種子を核として均一な球状に成形したものがペレット種子です。「高分子物質など」ではありません。よって、選択肢 1 は誤りです。機械播種が容易になる、という点は妥当です。

選択肢 2 ですが
嫌光性種子とは、発芽に光を必要としない種子です。レタスは代表的光発芽種子です。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は妥当な記述です。

選択肢 4 ですが
全自動移植機などの利用促進のために農林水産省が行っているのは、補助や安全指導などです。標準的栽培様式の決定ではないと考えられます。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
ダイコンは直根なので、セルトレイで育苗すると、植える時に主根を切ることになってしまい、適しません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 3 です。

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