公務員試験 H27年 国家一般職(化学) No.43解説

 問 題     

粉体を充填した容器に、流体を流す操作に関する次の記述の ㋐、㋑ に当てはまるものの組合せとして、最も妥当なのはどれか。ただし、流体及び粒子の壁摩擦による影響は無視できるものとする。

「図Ⅰのように、球状の固体粒子を分散板上に充填して、底部より流速 U で流体を流す。U を十分小さい状態から徐々に大きくし、そのときの圧力損失 ΔP を計測した。図 A、B、C は U と ΔP の関係を表したグラフであるが、両者の関係を適切に示しているのは図( ㋐ )である。

グラフの傾きが変化するときの流速を Umf とする。
(※mf:minimum fluidizationvelocity の略と思われます。)
Uが小さいときには、流体は粒子の間隙を通過して流れるが流速が大きくなると粒子は浮遊し運動をするようになる。Umfはこのような変化が起こる流速と考えられ、流体の粘度が大きいとき、Umf は ( ㋑ ) なる。」


  ㋐   ㋑
1.A  大きく
2.B  小さく
3.B  大きく
4.C  小さく
5.C  大きく

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

下からドライヤーで風を送っていて、だんだん風速を弱から強にしていくイメージをすると考えやすいかもしれません。ある程度以上の流速では、固体粒子がブワーと吹き上げられて圧力損失は一定になる と考えられます。すなわち、適切な図は、図 B です。

また、流体の粘度が大きければ、それだけ流速が小さいうちから固体粒子が 吹き上げられると考えられます。つまり、Umf は小さくなると考えられます。

「粘度が大きいと・・・」というくだりがピンと来ない場合は、ピンポン玉を ある程度の速さで手にぶつけられるのと、スライムボールを 同じ速さで手にぶつけられるのを想像するといいかもしれません。

スライムボールの方が、のぺっとぶつかって、より押し込む力を感じることが想像できるのではないでしょうか。これはつまり、等速で粘度が大きければ、より大きな力で固体粒子を押し上げる というイメージにつながるのではないかと思われます。

以上より、正解は 2 です。

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