公務員試験 H27年 国家一般職(化学) No.9解説

 問 題     

図のように、磁束密度の大きさが B の一様な磁界中に質量 m、電気量 q の荷電粒子を点 X から速さ v で入射させたところ半円形の軌跡を描いて点 Y に達した。この荷電粒子が有する電気量の正負及び XY 間の距離 d の組合せとして最も妥当なのはどれか。

ただし、磁界の向きは紙面の裏側から表側の向きでかつ紙面に対して垂直であるものとする。また、重力の影響は考えないものとする。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

「磁界から電荷が受ける力」 ときたら、ローレンツ力の公式 f = qvB です。力の向きが点 X において明らかにY方向なのでフレミングの左手の法則や手のひらを使って考えます。

ここで、荷電粒子を負電荷と仮定すれば粒子は正に電子です。電子の流れと逆方向が電流の流れる方向であることに注意して、イメージ図のような関係になります。この時、力は電流の向きから見て右巻き方向垂直。これはX→Y方向への力であり荷電粒子の軌跡と矛盾しません。したがって、電気量の正負は「負」です。

加えて、B が強くなれば、強い力を受けてキュッと曲がって d は短くなるはずです。つまり d と B は反比例するはずなので、正解は 4 or 5 です。

後は等速円運動の運動方程式 mv2/r = f で、f = qvB と連立させて考えれば、r = mv/qB となります。 d = 2r なので、d = 2r = 2mv/qB です。

以上より、正解は 5 です。

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