公務員試験 H27年 国家一般職(化学) No.7解説

 問 題     

図のように、光源から出てハーフミラーで反射した光が、回転している歯数 720 の歯車の歯の間を通った後に、反射鏡で反射されて同じ経路を通って戻る様子を観測するフィゾーの実験を行った。いま歯車の回転数を徐々に上げてn〔回/s〕としたところ、初めて暗く見えた。n はおよそいくらか。

ただし、光の速さを 3.00×108 m/s とし、歯車から反射鏡までの距離を 1.00×104 m とする。また、歯数 N の歯車が 1 秒間に 1 回転しているとすると、一つの歯が光をさえぎる時間は 1/2N〔s〕である。

1.10.4
2.11.9
3.13.4
4.14.9
5.16.4

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

フィゾーの実験についての問題です。光が往復する時間は「道のり÷速さ」で求めることができます。往復なので、道のりは 2.00 × 104 m となります。

( 2.00 × 104 ) ÷ (3.00 × 108 )
= 2/3 × 10
-4 (s) ・・・(1)

(1)が、光が往復する時間です。問題文より、歯数 N の歯車が1秒間に1回転しているとすると1つの歯が光を遮る時間は 1/2N 秒とあります。例えば、N=6の歯車があれば、1つの歯が光を遮る時間は 1/12 ということです。イメージは下図のようになります。

歯車の「回転数」が、1秒間に2回、3回・・・n 回と増えれば、一つの歯が、一回で光をさえぎる時間は1/2,1/3,,,1/n 倍となります。歯車の回転するスピードがどんどん速くなるのだから、一つの歯が光をさえぎっている時間がどんどん短くなる ということです。

本問において、1秒間に歯車が n 回転するとします。1秒間に n 回転する歯数 720 の歯車であれば、1つの歯が光をさえぎる時間は、1/1440n ・・・(2)と表されます。

(1)と(2)がちょうど等しくなる時、光がさえぎられて、暗く見えるようになります。(1)=(2)を解くと、2/3 × 10-4 = 1/1440n です。

右辺は 1/1.44n × 10-3 とかけます。両辺に 103 かけて、2/3 × 10-1 = 1/1.44n です。左辺は 2/3 × 1/10 なので、1/15 と書き換えることができます。

1/15 = 1/1.44n となおせば、両辺の分子が共に1と等しい点に注目して、15 = 1.44n です。選択肢の数字を代入して検討すれば、n は約 10.4 です。

以上より、正解は 1 です。

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