公務員試験 H27年 国家一般職(教養) No.32解説

 問 題     

次は化学平衡に関する記述であるが、ア、イに当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

窒素 N2 と水素 H2 を高温に保つとアンモニア NH3 を生じる。この反応は逆向きにも起こり、アンモニアは分解して窒素と水素を生じる。このように逆向きにも起こる反応を可逆反応という。可逆反応は⇄を用いて示され、例えばアンモニアの生成反応は次のように表され、この正反応は発熱反応である。

N2 (気)+ 3H2 (気)⇄ 2NH3 (気) … (*)

化学反応が平衡状態にあるとき、濃度や温度などの反応条件を変化させるとその変化をやわらげる方向に反応が進み新しい平衡状態になる。この現象を平衡の移動という。

(*)のアンモニアの生成反応が平衡状態にあるときに温度を高くすれば、平衡は( ア )、圧縮すれば平衡は( イ )。

  •   ア     イ
  1. 移動せず  右に移動する
  2. 右に移動し 移動しない
  3. 右に移動し 左に移動する
  4. 左に移動し 左に移動する
  5. 左に移動し 右に移動する

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

平衡に関するルシャトリエの原理について聞かれている問題です。ルシャトリエの原理とは「平衡状態にある可逆反応において条件を変化すると、その変化を和らげるような方向に平衡は移動する」という原理です。

本問では、まず正反応が発熱反応と問題文にあります。従って、温度を高くするとやわらげるために、発熱とは逆に平衡が移動します。すなわち平衡は左へと移動します。正解は 4 or 5 です。

一方、圧力については、化学反応式の係数の和が増えると圧力は増します。係数の和が減ると圧力は減ります。(これは知識です。)従って、正反応で圧力が減ります。圧縮する というのは圧力が高くなる ということなので、圧力が減る方向に平衡は移動します。すなわち、平衡は右へと移動します。

以上より、正解は 5 です。

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