問 題
我が国における犯罪の動向に関する記述として最も妥当なのはどれか。なお、データは『平成25年版犯罪白書』及び『平成26年版犯罪白書』による。
1. 刑法犯の認知件数*1 の各年ごとの推移をみると、 1996 (平成8) 年以降一貫して減少し、 2002 (平成14) 年には、第二次世界大戦後最少となる約 190 万件となったが、 2003 (平成15) 年から増加に転じ、 2013 (平成25) 年には約 370 万件となっている。
2. 2013 (平成25) 年における保護観察開始人員の内訳をみると、少年院仮退院者の人員の方が保護観察処分少年の人員よりも多くなっており、少年院仮退院者の人員と保護観察処分少年の人員の合計は約 11 万人となっている。
3. 一般刑法犯により検挙された者のうち再犯者*2 が占める割合の各年ごとの推移をみると、1997 (平成9) 年以降、一貫して低下しており、 2013 (平成25) 年は 10 % 以下であった。
4. 一般刑法犯について、年齢層別の検挙人員の各年ごとの推移をみると、 65 歳以上の高齢者の占める割合は、 2003 (平成15) 年から 2013 (平成25) 年まで一貫して低下している。また、入所受刑者*3 のうち 65 歳以上の高齢者が占める割合も同期間において一貫して低下している。
5. 2012 (平成24) 年における一般刑法犯の検挙人員について、罪名別構成比を男女別にみると、男女共に窃盗の占める割合が最も高いが、女子における窃盗の占める割合は、男子における窃盗の占める割合に比べ、高くなっている。
(注)*1 犯罪について、被害の届出、告訴、告発その他の端緒により、警察等が発生を認知した事件の数をいう。
*2 以前に道路交通法違反を除く犯罪により検挙されたことがあり、再び検挙された者をいう。
*3 裁判が確定し、その執行を受けるため、各年中に新たに入所するなどした受刑者をいい、矯正統計年報における「新受刑者」に相当する。
解 説
選択肢 1 ですが
刑法犯の認知件数は H14 年をピークに年々減少しています。選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
保護観察中の人員が合計「11 万人」は少し多すぎると感じるのではないでしょうか。合計は 2 万人弱程度です。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
初犯が減り続けていることから再犯者率は上昇傾向です。試験時点において、再犯者率は 50% 弱です。選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 ですが
高齢化の進行や、再犯者率の上昇から、高齢者の占める割合は増加していると判断ができるのではないでしょうか。選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 は妥当な記述です。
以上より、正解は 5 です。
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