公務員試験 H27年 法務省専門職員 No.29解説

 問 題     

ストレスに関する記述 A~D のうち、妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

A. セリエ (Selye, H.) は、ストレスを「外界のあらゆる要求によってもたらされる身体の非特異的反応」と定義した。そして、ストレッサーとなる様々な要因は、その種類によってそれぞれ異なった生理的反応を引き起こすと考え、そうした様々な反応をまとめて、汎適応症候群と名付けた。

B. ホームズとレイ (Holmes, T. H. & Rahe, R. H.) が作成した社会的再適応評価尺度 (socialreadjustment rating scale) では、ストレッサーとそれに対するコーピングが尺度化されてお
り、ストレッサーの得点がコーピングの得点より高い場合、心身疾患に罹患する可能性が高まるとされている。

C. コーピングには、外部環境や自分自身の問題を解決するための問題焦点型コーピング、情動的な苦痛を低減させるための情動焦点型コーピングなどがある。また、コーピングの選択と実行を規定する要因として、ストレッサーに対する認知的評価や自己効力感などの役割が指摘されている。

D. ストレスと身体疾患の関連についての研究によると、脳卒中や心筋塞など急性の疾患については、ストレスとの関連が強いことが明らかになっている。一方、糖尿病や十二指腸潰瘍などの生活習慣病は、食生活や運動不足等による影響が大きく、ストレスとの関連性はほとんどないといわれている。

1. A
2. C
3. A B
4. B D
5. C D

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

記述 A ですが
ストレスに関し「身体的・生理的」要因を重視したのがセリエです。一方、心理的・認知的要因を重視したのがラザルスとフォルクマンです。そして、セリエは「さまざまなストレッサー」が、「類似の生理的反応」を起こすと考え、汎適応症候群と名付けました。記述 A は誤りです。

記述 B ですが
社会的再適応評価尺度とは、ライフイベントを点数化したものです。点数が高いほど負担が大きいイベントです。「ストレッサーとそれに対するコーピングが尺度化」されたものではありません。記述 B は誤りです。

記述 C は妥当な記述です。
コーピングとは、ストレス事態に何らかの対処を行うことです。

記述 D ですが
「糖尿病や十二指腸潰瘍」にストレスとの関連性がほとんどない、という記述には違和感を覚えるのではないでしょうか。記述 D は誤りと考えられます。

以上より、妥当な記述は C です。正解は 2 です。

コメント