問 題
次は20世紀後半における米国の教育改革に関する記述であるが、A~Dに当てはまるものの組合せとして妥当なのはどれか。
米国においては、ソビエト連邦 (当時) による世界最初の人工衛星打上げの刺激もあり、科学技術教育に対する一般の認識が高まり、米国連邦議会は 1958 年、A を制定した。そして A によって、高等教育において、数学、自然科学、外国語を学習する学生に奨学金等が与えられた。
1970 年代には、B の『教室の危機』などにおいて、それまでの学校体制は画一的・管理主義的であり、子どもの主体性や創造性の開花を阻害するものであるとの主張がなされた。このB らの主張は、教育現場で教室を仕切る壁を取り払ったり、子ども自身が個別的主体的に教育目標や内容、学習進度などを設定したりするなど、子どもの主体性、活動性に配慮した C として具体化した。
1980 年代には、米国政府レベルの教育改革案を始めとする諸提案が相次ぎ、教育改革が国民的課題になった。1983 年に発表された連邦教育省の審議会報告書である「 D 」では、学校教育の質を高めることが第一の国家的課題だとの前提に立って、高等学校での授業時間数や授業日数を増加させること、大学への入学許可基準を厳しくすることなど、数々の提案がなされた。
解 説
記述 A ですが
1958 年米国で制定されたのは「国防教育法」です。バトラー法とは、イギリスの 1944 年教育法の通称です。
記述 B ですが
「教室の危機」の著者は、シルバーマンです。デューイは、1896 年シカゴ大学に赴任した際に開設した実験学校で、自らの教育哲学を実践し、その報告を『学校と社会』に著した人物です。この中で、教育は、経験の再構成であり、子どもの生活経験に基づき、子どもの自発活動が中心でなければならないと主張しました。
記述 C ですが
イエナプランは、ドイツのイエナ大学教授であったペーターゼンが提唱した学校教育です。異年齢グループによるクラス編成などが特徴です。記述 C は「オープン・エデュケーション」が妥当です。
記述 D ですが
1983 年に発表された審議会報告書は「危機に立つ国家」です。
以上より、正解は 2 です。
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