公務員試験 H27年 国家一般職(行政) No.62解説

 問 題     

次は、心理学における防衛機制の具体例に関する記述であるが、A、 B、 C、に該当する防衛機制の名称の組合せとして最も妥当なのはどれか。

A. 担任の先生を嫌っているのに、「先生が自分を嫌っている」と考える。
B. 職場の上司に腹が立ったので、家で家族に当たり散らした。
C. 恋人に依存したいが、その恋人に対して過剰に拒絶的で冷淡な態度を取る。

A B C
1. 投影 置き換え  反動形成
2. 投影 退行    否認
3. 投影 退行    反動形成
4. 同一視 置き換え 反動形成
5. 同一視 退行   否認

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

記述 A ですが
「投影」とは、自分の受け入れがたい不快な感情や性格を、他者が持っているかのように知覚することです。「同一視」とは、他者を模倣し、同じように考え、感じ、ふるまうことで取り込むことによって、他者との結びつきを果たそうとする防衛機制の一つです。A は自分の「嫌い」という感情を、他者である先生が持っていると知覚しています。「投影」が妥当です。

記述 B ですが
「置き換え」は、ある対象への心のエネルギーを、他の対象に向け換えることです。「退行」は、自我を一時的に、発達段階初期に戻す事です。B は上司への怒りを、家族への怒りに向け換えています。「置き換え」が妥当です。

記述 C ですが
欲求と正反対の行動をとるのが「反動形成」です。「否認」は、事実の否定です。C は恋人に依存したいという欲求と正反対の拒絶的、冷淡な態度を取っています。「反動形成」が妥当です。

以上より、正解は 1 です。

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