公務員試験 H27年 国家一般職(行政) No.47解説

 問 題     

製品開発、生産管理に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。

1. 開発効率の高い組織には、プロジェクト・マネジャーが存在することが特徴であり、特にプロジェクトに関するあらゆる事項の決定権限を持つプロジェクト・マネジャーはリエゾンと呼ばれる。また、重量級プロジェクト・マネジャー型組織とは、プロジェクト・マネジャーが主要技術の選択や設計に関して権限を持ち、それ以外については各機能部門長が権限を持つ組織である。

2. 期間中の製造あるいは発注のコストと在庫費用の合計を最小化するように求められたロットサイズを最適経済ロットという。期間中の予定生産(発注)量を D、ロット当たり製造 (発注) コストを S、期間中の単位当たり在庫費用を C、ロットサイズを Q とすると、期間中の平均在庫量は Q/2 として把握されるので、費用の合計 DS/Q + QC/2 を Q について微分すれば、最適経済ロットとして Q = √(2DS/C) が得られる。

3. 製品アーキテクチャは、部品の汎用性の程度によってオープン型とクローズド型に、部品間の依存関係の強さによってインテグラル型とモジュラー型に類型化される。オープンとインテグラル、クローズドとモジュラーの組合せの相性がよく、前者の代表的製品が自動車、後者がパソコンである。また、オープンとモジュラーの組合せの代表的製品には積み木やブロックがある。

4. 産業発展の初期段階である流動期には、製品コンセプト自体が定まっていないため、製品イノベーションも工程イノベーションも発生頻度は高い。ドミナント・デザインが登場して移行期に入ると工程イノベーションによって生産性は向上するが、顧客の要求が収斂しているので製品イノベーションは発生しなくなる。生産性向上によって製品イノベーションが抑制される現象をイノベーターのジレンマという。

5. 代表的な生産管理システムとして、資材所要量計画とカンバン方式がある。資材所要量計画は1950年代にトヨタで考案され、その後、米国で発達したもので、基本生産計画に基づき部品展開して算出した資材の所要量を、最下流の組立工程にのみ指示する仕組みである。カンバン方式は同時期に同国のゼネラル・エレクトリック社が導入したもので、基本生産計画に基づいて上流工程の各段階に資材の所要量を指示する仕組みである。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

選択肢 1 ですが
リエゾンは、「仲介役、連絡係」といった意味です。「あらゆる事項の決定権限を持つプロジェクト・マネージャー」ではありません。これは重量級プロジェクト・マネージャーについての記述と考えられます。重量級プロジェクト・マネージャーは、製品開発の総責任者です。各機能部門長と同等以上の権原を有します。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は妥当です。
1ロット当たり Q 個の製品で、ロット当たりの製造コストが S なので、S/Q が、製品1個当たりのコストです。「D × S/Q」 が、「期間中の製造 あるいは 発注のコスト」を表します。在庫費用は、期間中の平均在庫量 × 単位当たりの在庫費用なので Q/2 × C となります。Q を変数と見て、f(Q) = DS/Q + QC/2 とおき、Q で微分すると、以下のようになります。

f’(Q) = 0 となるような Q を求めると、以下のようになります。Q = √2DS/C です。

選択肢 3 ですが
インテグラル型はクローズド型です。クローズド型、インテグラル型の代表的製品は自動車です。オープン型、モジュラー型の代表的製品がパソコンです。積み木やブロックは、クローズド型、モジュラー型の代表例です。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
イノベーション・ダイナミクスモデルによれば、流動期は製品イノベーションの発生頻度は高く、工程イノベーションの発生頻度は低いです。(H26no46)。また、生産性向上により製品イノベーションが抑制される現象は「生産性のジレンマ」です。(H26no49)。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
カンバン方式がトヨタの考案です。カンバン方式とは、連続工程間の仕掛在庫最小化の仕組みです。(H26no50)。資材所要量計画は、資材管理で生産を計画する手法のことです。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2 です。

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