公務員試験 H27年 国家一般職(行政) No.42解説

 問 題     

我が国の財政事情に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。

1. 平成 26 年度の一般会計当初予算の規模は、前年度当初予算よりも7% 以上増加して、約 100 兆1,000 億円となり、初めて 100 兆円を上回った。これを歳出面からみると、いわゆる基礎的財政収支対象経費は 60 兆円程度であり、国債費が 40 兆円程度となっている。

2. 平成 26 年度の一般会計当初予算における公共事業関係費は約 10 兆円となり、前年度当初予算よりも約 13 % 増加した。平成 10 年度から平成 25 年度までの公共事業関係費 (当初予算と補正予算の合計額) の推移をみると、内需の拡大を図るため、増加傾向であり、平成 25 年度が最大となっている。

3. 平成 26 年度の一般会計当初予算における社会保障関係費は約 30 兆 5,000 億円となり、前年度当初予算よりも5% 近く増加した。また、当該社会保障関係費は、一般会計歳出 (当初) の 30 %以上を占め、主要な経費の中で最大の割合となっており、一般歳出 (一般会計歳出から国債費及び地方交付税交付金等を除いたもの) に占める割合でみると 50 % を上回っている。

4. 平成 26 年度の一般会計当初予算における租税及び印紙収入の内訳をみると、所得税、法人税,消費税の三税の合計で 50 兆円を上回っている。その内訳は、所得税と法人税がそれぞれ 13 兆円程度で、消費税が 25 兆円程度であり、所得税と法人税の合計が消費税とほぼ同額となっている。

5. 平成 26 年度の一般会計当初予算における公債金収入は 20 兆円程度となり、前年度当初予算よりも3% 以上増加し、公債依存度は 25 % 程度に上昇した。また、公債金収入の内訳をみると、近年、建設公債の割合が上昇傾向にあり、平成 26 年度は、建設公債の発行額が特例公債の発行額を上回っている。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

試験1年前の「○年度予算の概要」 (令和に入ると「予算のポイント」になっているっぽい) に目を通して理解しておくと、確実な1点がとれる印象です。

選択肢 1 ですが
当初予算として、初めて 100 兆円を超えたのは、H30 年夏にまとめられた、H31 年度予算です。H26 年度ではありません。選択肢 1 は誤りです。ちなみに、基礎的財政収支対象経費とは、「国債費を除く歳出」です。年度についての補足ですが、2019 年が H31 です。そして、2019 年は H31 と R1 が混在する年度です

選択肢 2 ですが
R2 年現在の話になりますが、公共事業関係費用は、ここ 10 年程度、ほぼ約 7 兆円です。特に増加傾向ともいえず、また、H10 ~ H25 年においては公共事業関係費用は減少傾向です。最大が H25 年ではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は妥当です。
社会保障関係費についての記述です。

選択肢 4 ですが
消費税収入は所得税収入と大体同額付近、共に 20 兆円弱です。法人税が 10 兆円強です。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
公債金は 40 兆円強です。うち、建設公債が 6,0 兆円です。当初予算ベースでは平成 22 年度以降5年連続で 40 兆円超の発行が続いています。公債依存度は 40% 強です。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 3 です。

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