公務員試験 H27年 国家一般職(行政) No.8解説

 問 題     

行政責任、統制に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。

1. 議院内閣制での執政機関は、内閣、内閣総理大臣、各省大臣であり、内閣は法案提出権等、内閣総理大臣は国務大臣等の任免権等、各省大臣は主任の大臣としての人事権及び指揮監督権等により、統制を行う。

2. パブリックコメント (意見公募手続) 制度は、平成 17 (2005) 年の行政手続法改正によって法定され、府省は適用除外に該当しない限り、政令、府省令等を制定、改正する場合には、政令、府省令等の最終決定後ただちにホームページ上で意見を募集しなければならない。

3. C.バーナードは、制度的 (formal)、非制度的 (informal) 統制の軸と、問責の主体が行政機関の外部に位置する外在的 (external)、行政機関の内部に位置する内在的 (internal) 統制の軸という2つの軸の交差から生じる4分類によって行政統制の性質を示した。

4. C.フリードリッヒは、「XはYの事項に関してZに対して説明・弁明しうる(X is accountablefor Y to Z)」ことを行政責任としてとらえ、説明する相手方の外在性を重視したため、議会による統制を民主制における行政責任と考えた。

5. H.ファイナーは、行政官の責任として技術的知識と民衆感情への応答性を重視し、前者は、内外の政策専門家によって責任が問われ、後者は、民衆のニーズや要求を把握するよう努力し、それに政策的に対応するよう、民衆に対して直接責任を有するとした。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

選択肢 1 は妥当です。
議院内閣制についての記述です。

選択肢 2 ですが
パブリックコメント制度は、命令等を定めようとするときに、定める前に公示し、広く一般に意見を求める制度です。「最終決定後・・・意見を募集」ではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
記述はギルバートのマトリクスについてです。C.バーナードは、現代組織論の基礎を築いた人です。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4,5 ですが
フリードリッヒ」と「ファイナー」が逆です。選択肢 4,5 は誤りです。

以上より、正解は 1 です。

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