公務員試験 H27年 国家一般職(土木) No.27解説

 問 題     

水理模型実験の相似則に関する次の記述の㋐、㋑に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「重力の影響が卓越するような現象では、原型と模型のフルード数が一致するように水理模型実験を行うことが多い。

フルード数を一致させた水理模型実験の場合、原型の水深や水路幅などの長さLpに対する模型の水深や水路幅などの長さLmの比である模型縮尺をLr(=Lm/Lp)とおくと、原型の流速 Vp に対する模型の流速 Vm の比Vm/Vp は ( ㋐ )、原型の流量 Qp に対する模型の流量 Qm のQm/Qp は ( ㋑ ) である。」

  •  ㋐    ㋑
  1. Lr    Lr
  2. Lr    (Lr)1/2
  3. (Lr)1/2  (Lr)1/2
  4. (Lr)1/2  (Lr)5/2
  5. (Lr)5/2  (Lr)5/2

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

まず、知識として、フルード数を Fr とすると

Fr=V/√(g・h) ※hは水深。

【流速比 Vm/Vp】

原型と模型の長さ Lp と Lm を今適当に100 と50 とおいてみる。
※ 原型・・・prototype
※ 模型・・・model

すると、模型縮尺 Lr=50/100 = 0.5 となる。

Lr=0.5 ならば模型の水深 hm = 0.5hp である。

原型、模型の流速をそれぞれ Vp,Vm とおけばフルード数は一致するので、Vp/√gh = Vm/√g(0.5h) がなりたつはずである。

まず、両辺を 2 乗して

Vp2/gh = Vm2/g(0.5h)。 

両辺にgh をかければ

Vp2=2Vm2

Vm2/Vp2=1/2

∴Vm/Vp = √1/2

ここで、始めに Lr=0.5 とおいたのだから右辺は √Lr である。つまり、Vm/Vp = √Lr である。

√Lr = Lr1/2 なので正解は 3 or 4 とわかる。

【流量比 Qm/Qp】

次に、Q=AVであり、原型の断面積をAとすれば、模型の断面積は (1/2)2A = (1/4) A である。

又、模型の流速は先程求めた流速比より、

Vm=√1/2 Vp である。

以上より

Qm/Qp=(1/4)A(√1/2)Vp / AVp

右辺を整理すると

右辺= 1/4√2
= √2/8 (分母を有理化。)

ここで、√2 = 21/2 = (1/2)-1/2

また、1/8 = (1/2)3 と表すことができるので

√2/8
=(1/2)-1/2(1/2)3
=(1/2)5/2 

となるので、これはLr5/2 。

従って、正解は 4 。

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