問 題
水理模型実験の相似則に関する次の記述の㋐、㋑に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。
「重力の影響が卓越するような現象では、原型と模型のフルード数が一致するように水理模型実験を行うことが多い。
フルード数を一致させた水理模型実験の場合、原型の水深や水路幅などの長さLpに対する模型の水深や水路幅などの長さLmの比である模型縮尺をLr(=Lm/Lp)とおくと、原型の流速 Vp に対する模型の流速 Vm の比Vm/Vp は ( ㋐ )、原型の流量 Qp に対する模型の流量 Qm のQm/Qp は ( ㋑ ) である。」
- ㋐ ㋑
- Lr Lr
- Lr (Lr)1/2
- (Lr)1/2 (Lr)1/2
- (Lr)1/2 (Lr)5/2
- (Lr)5/2 (Lr)5/2
解 説
まず、知識として、フルード数を Fr とすると
Fr=V/√(g・h) ※hは水深。
【流速比 Vm/Vp】
原型と模型の長さ Lp と Lm を今適当に100 と50 とおいてみる。
※ 原型・・・prototype
※ 模型・・・model
すると、模型縮尺 Lr=50/100 = 0.5 となる。
Lr=0.5 ならば模型の水深 hm = 0.5hp である。
原型、模型の流速をそれぞれ Vp,Vm とおけばフルード数は一致するので、Vp/√gh = Vm/√g(0.5h) がなりたつはずである。
まず、両辺を 2 乗して
Vp2/gh = Vm2/g(0.5h)。
両辺にgh をかければ
Vp2=2Vm2
Vm2/Vp2=1/2
∴Vm/Vp = √1/2
ここで、始めに Lr=0.5 とおいたのだから右辺は √Lr である。つまり、Vm/Vp = √Lr である。
√Lr = Lr1/2 なので正解は 3 or 4 とわかる。
【流量比 Qm/Qp】
次に、Q=AVであり、原型の断面積をAとすれば、模型の断面積は (1/2)2A = (1/4) A である。
又、模型の流速は先程求めた流速比より、
Vm=√1/2 Vp である。
以上より
Qm/Qp=(1/4)A(√1/2)Vp / AVp
右辺を整理すると
右辺= 1/4√2
= √2/8 (分母を有理化。)
ここで、√2 = 21/2 = (1/2)-1/2
また、1/8 = (1/2)3 と表すことができるので
√2/8
=(1/2)-1/2(1/2)3
=(1/2)5/2
となるので、これはLr5/2 。
従って、正解は 4 。
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