公務員試験 H26年 国家専門職(食品衛生監視員) No.2食品化学Ⅰ(1)解説

 問 題     

多糖類に関する記述 ①~⑤ について、妥当なものには○を、妥当でないものには×をそれぞれ記せ。

① アミロースとアミロペクチンはデンプンの構成成分である。

② グリコーゲンは植物の貯蔵多糖である。

③ ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸はムコ多糖である。

④ 寒天の主成分はアガロースとアガロペクチンである。

⑤ グルコマンナンはコンニャクイモの主成分である。

 

 

 

 

 

 解 説     

①は、正しい記述です。
デンプンは、グルコースを構成単位として重合した高分子の一種です。アミロースとは、グルコースが枝分かれせず(1-6結合することなく)つながった高分子のことです。デンプンの一部分がアミロースです。一方、アミロペクチンは、途中で枝分かれした部分もある高分子です。

②ですが
グリコーゲンは「動物」の貯蔵多糖です。植物の貯蔵多糖の代表例がデンプンです。

③は、正しい記述です。
ムコとは粘膜の粘着性物質 に由来する言葉です。「ねばねばした」ぐらいのイメージをもっておけばよいと思います。ムコ多糖とは、アミノ糖を含む多糖類の総称です。ヒアルロン酸の構造を例として以下に示します。赤丸部分が、水酸基(OH基)がアミノ基(Nー)で置換されています。

④は、正しい記述です。
アガロースは中性の多糖類です。アガロペクチンは、アガロース以外の多糖類です。アガロースと同じ結合形式をしていますが、部分的に硫酸エステル、メトキシル基、ピルビン酸基、カルボキシル基を含む、イオン性の多糖類です。

⑤は、正しい記述です。
マンナンが、マンノースを主な構成単位とする多糖の総称です。グルコマンナンは、グルコースとマンノースを含む多糖類です。たまに枝分かれし、部分的にアセチル化されていたりします。

以上より、①◯、②☓、③◯、④◯、⑤◯です。

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