公務員試験 H26年 国家専門職(食品衛生監視員) No.1分析化学Ⅱ(2)解説

 問 題     

⒜~⒟のイオン化法について原理を選び出しそれぞれの番号を記せ。

<イオン化法>
⒜ CI 法
⒝ APCI 法
⒞ ESI 法
⒟ FAB 法

<原理>
① 試料気化と噴霧を行った後噴霧口付近でコロナ放電を起こし、周囲に大量に存在する窒素ガスや大気中の水分をイオン化させて、これと試料分子を反応させることによりイオン化する。

② 試料と一緒に導入された試薬ガス(メタンアンモニアなど)から生成する特定のイオンと試料分子を反応させイオン化する。

③ ターゲットと呼ばれる試料面に、高速の中性原子(アルゴンなど)流を衝突させて試料分子をイオン化する。

④ 導電性の溶媒に溶解した試料に、高電圧を印加して均一に帯電した微細な液滴として、試料溶液を噴霧し液滴中の溶媒を蒸発させ試料分子をイオン化する。

 

 

 

 

 

 解 説     

イオン化法に挙げられているのは、それぞれ CI が Chemical Ionization(化学イオン化) の略、APCI の AP はAtmospheric-pressure(大気圧)、ESI は ElectroSpray ionization(エレクトロスプレーイオン化) 、FAB が fast atom bombardment(高速原子衝撃)の略です。

イオン化法の名称がわかると、c,d がまず判断しやすいと思われます。c は「スプレー」をキーワードとして「微細な液滴として噴霧し」という点から④が対応します。d は「高速原子衝突」をキーワードとして、「高速の中性原子流を衝突」という部分から③が対応します。

a と b の違いは大気圧下かどうか、という点なので、「周囲に大量に存在する窒素ガスや大気中の水分をイオン化」とある点から b が ①に対応します。

以上より、a ②、b ①、c ④、d ③です。

この問題の学習をきっかけとして、それぞれのイオン化法の原理を聞かれた時に2~3行で記述できるように復習しておくとよいと思います。

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