公務員試験 H26年 国家専門職(食品衛生監視員) No.1分析化学Ⅱ(1)解説

 問 題     

(1) 次の記述のA~Gに当てはまるものを語群から選び出しそれぞれの番号を記せ。

「A の下でB した分子 M に大きなエネルギーをもつ C を衝突させると分子 M 中のCがたたき出され D 又は親イオンが生じる。このイオン化法をE という。D は更に開裂を起こしてF と呼ばれるいくつかのイオンを生じる。これらのイオンを質量 m と電荷 z の比m/z の大きさの順に分離し記録する装置をGといい得られたスペクトルをマススペクトルと呼ぶ。」

<語群>①分子イオン、②フラグメントイオン、③陰イオン、④分子、⑤原子、⑥電子、⑦ライブラリーサーチ、⑧赤外分光光度計、⑨蛍光X線分析計、⑩質量分析計、⑪加熱気化,⑫気化冷却、⑬大気圧、⑭高真空、⑮マトリックス支援レーザー脱離イオン化法、⑯電子イオン化法、⑰ソフトイオン化法

 

 

 

 

 

 解 説     

質量分析についての記述です。質量分析とは、高真空下において、試料を適当な方法でイオン化し、イオンを電磁的に分離するというものです。イオン化方法には様々な方法があり、試料の性質等により選択します。

本問では、選択肢、及び記述中の「・・・大きなエネルギーをもつ C を衝突・・・」という点から、イオン化法は電子イオン化法(EI:Electron Ionization)と判断できます。EI 法とは、高エネルギー「電子」をぶつけることによるイオン化法の一種です。試料を気体にしておく必要があります。従って、熱に不安定だったり、気化できない試料には不適切なイオン化法です。

分子イオン(親イオン)は、高エネルギー電子によりバラバラになってしまうこともあります。これをフラグメンテーションといい、開裂してできたイオンはフラグメントイオンと呼ばれます。特徴的なフラグメントイオンから、試料分子の部分構造についての情報を得ることができます。例えば 77 のピークがあったら、ベンゼン環があったのではないかといった具合です。

以上をふまえ、A~G に当てはまるものを選ぶと
A 高真空 ⑭
B 加熱気化 ⑪
C 電子 ⑥
D 分子イオン ①
E 電子イオン化法 ⑯
F フラグメントイオン ②
G 質量分析計 ⑩ です。

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