問 題
家畜の生理・生態に関する記述として最も妥当なのはどれか。
1. 家畜は胃の構造によりニワトリなどの単胃動物とブタなどの反すう動物に大別される。ニワトリは歯がないが食道にルーメンが発達しそのうと呼ばれる胃袋にはグリット(小石)や砂を蓄えていて摂取した飼料を強い力ですりつぶして消化を促す。
2. ニワトリには汗腺がなく高温時には口を開けながら浅く速い呼吸をして体温を放散させる。これをパンティングという。一方低温時は体を丸め熱が逃げないように羽毛を逆立てる。一般に寒くなると飼料摂取量が増えるが産卵率は低下する。
3. ブタは1年の特定の時期に限って繁殖活動を行うため1年間に1回しか出産しない。1回の出産で約10頭の子豚を産む。ブタは嗅覚や味覚が発達しておらず植物性飼料や動物性飼料、農場残さ、残飯類など広い範囲のものが飼料として利用される。
4. 我が国で飼育されている乳牛はホルスタイン種とジャージー種が半数ずつを占める。ホルスタイン種の大きな特徴は泌乳能力が高く乳量が多いことである。性質は温順で管理しやすい。乳量は初産牛が最も多く2産牛3産牛となるにつれ乳量が減少する。
5. ウマは他の動物に比べ体重に占める心臓の重量が小さいが肺の重量は大きい。胃は一つで体の割に大きくここで微生物の作用によって繊維成分の消化と吸収を行っている。ウマに騎乗するための馴致や調教は生後1か月を過ぎた頃から行うのが一般的である。
解 説
選択肢 1 ですが
ルーメンとは「第一胃」のことです。ニワトリは単胃動物なのでルーメンが発達してはいません。よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 は、妥当な記述です。
選択肢 3 ですが
ブタは年中繁殖可能です。また、ブタは味覚、嗅覚が優れた動物です。よって、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 ですが
我が国で飼育される乳牛の大部分はホルスタイン種です。よって、選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 ですが
ウマの体重当たり心臓の大きさは比較的大きいです。ウマ=走ることに特化→血液量豊富→血液を送る心臓も大きい という連想から納得いくのではないかと思います。
ウマの胃は確かに一つです。後腸が発達しており、そちらが大きく発達し、微生物作用による繊維質の発酵分解などが行われます。ちなみに馴致などは1歳秋頃からが一般的です。よって、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 2 です。
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