公務員試験 H26年 国家一般職(農学) No.34解説

植物の構造や成長に関する記述として最も妥当なのはどれか。

 問 題     

1. 根は細胞分裂と細胞伸長により成長する。静止中心には高い細胞分裂活性を持つ細胞群が存在し根端分裂組織に細胞を供給する。これに続く成熟帯では細胞の伸長成長が起こる。

2. 根の先端付近の伸長帯において細胞は細長い形を保ったまま伸長する。これはセルロース微繊維が、
たがをはめるように細胞を取り巻いているために生じるものである。

3. イネ科植物では節間上部で長期間細胞分裂活性が維持されておりこの部分を介在分裂組織という。この組織の活動によりイネやコムギの茎では栄養成長期になると節間が急速に成長する。

4. 直根では維管束形成層が並層分裂して外側に二次木部を内側に二次師部を増殖し肥大成長する。ニンジンのような木部肥大型の作物とダイコンのような師部肥大型の作物がある。

5. 仮軸分枝は頂芽が伸長し続けるとともに側枝も発達するもので例としてキュウリがある。単軸分枝は頂芽の伸長が停止し側枝が主軸のように発達するもので例としてトマトがある。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

選択肢 1 ですが
静止中心は、それ自体は分裂しません。「高い細胞分裂活性を持つ」が妥当ではありません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は、妥当な記述です。
ちなみに「たが」とは、「おけ や たるの周りの金属の輪」です。

選択肢 3 ですが
イネの節間(茎)が急速に成長するのは、生殖成長期です。栄養成長期ではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
内側に木部、外側に師部です。また、ニンジンは師部肥大型、ダイコンは木部肥大型の例です。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
仮軸分枝と単軸分枝の記述が逆です。そして、仮軸分枝の例がトマトです。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2 です。

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