公務員試験 H26年 国家一般職(農学) No.29解説

 問 題     

昆虫の生活環・休眠に関する記述A~Dのうちから妥当なもののみを挙げているのはどれか。

A. 1年間に繰り返す世代の数は、種と生育地域によりほぼ定まっており、1世代のものを1化性昆虫2世代以上のものを多化性昆虫という。1化性昆虫の例としてマイマイガ、多化性昆虫の例としてツマグロヨコバイなどがある。

B. 休眠は温帯に生息する昆虫に広くみられる現象で休眠する発育段階は種によって定まっており通常越冬態と一致するが中には越夏のために休眠する例も知られている。カイコは卵休眠モンシロチョウは蛹休眠ニジュウヤホシテントウは成虫休眠する。

C. 休眠中の昆虫は低温に対して抵抗性が強くなっており過冷却点を上げることで凍結を防いだり耐凍性を獲得することで適応している。こうした低温への適応は昆虫体内でのソルビトールやグリセリンの減少によって引き起こされる。

D. 休眠には外因性休眠と内因性休眠があり、1化性昆虫には外因性休眠が多く、多化性昆虫では内因性休眠が一般的である。外因性休眠の誘起には日長が関与しており個体群の50%の個体が休眠に入る日長を限界日長と呼ぶ。

1. A B
2. A D
3. B C
4. B D
5. C D

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

記述 A,B は、妥当な記述です。

記述 C ですが
低温への適応は、ソルビトールやグリセリンといった糖アルコールの増加によって引き起こされます。「減少」ではありません。よって、記述 C は誤りです。

記述 D ですが
1化性は「内因性」、多化性では「外因性」が一般的です。よって、記述 D は誤りです。

以上より、妥当な記述は A,B です。正解は 1 です。

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