問 題
次はトウモロコシやイネの胚乳の遺伝現象に関する記述であるがア~キに当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。
「黄色の種子のトウモロコシの雌ずいに、黒色の種子のトウモロコシの花粉を受粉すると、黒色の種子になる。黄色と黒色の花粉を混合して受粉すると、黄色と黒色の種子が一つの穂に混在する。このように胚乳の形質に雄親の影響が現れることをアという。
イネのウルチとモチは、Wx 遺伝子に支配される胚乳の特性であり、モチは イ であるため ウ に エ の花粉がかかるとオになる。
トウモロコシ種子の胚乳の色について優性形質(黄色)の遺伝子を Y、 劣性形質(白色)の遺伝子を y とする。YYY は濃黄色 YYy は黄色 Yyy は淡黄色 yyy は白色となることから、黄色は白色に対して カ である。純系どうしの交配ではどちらを雌親とするかによって F1 種子の色が異なることになる。またこれらの F1どうしを交配すると F2 では濃黄色、黄色、淡黄色、白色が キ に分離する。」
/ | ア | イ | ウ | エ | オ | カ | キ |
1 | キセニア | 劣性形質 | モチ品種 | ウルチ品種 | ウルチ | 不完全優性 | 1:1:1:1 |
2 | キセニア | 優性形質 | ウルチ品種 | モチ品種 | モチ | 不完全優性 | 1:3:3:1 |
3 | キセニア | 劣性形質 | モチ品種 | ウルチ品種 | ウルチ | 超優性 | 1:3:3:1 |
4 | メタキセニア | 優性形質 | ウルチ品種 | モチ品種 | モチ | 超優性 | 1:1:1:1 |
5 | メタキセニア | 劣性形質 | モチ品種 | ウルチ品種 | ウルチ | 不完全優性 | 1:3:3:1 |
解 説
黄色と白の関係は不完全優性です。そして、キの F1 同士の交配ですが、F1のゲノムは Yy です。よって、花粉の方は Y or y を有します。
そして胚乳ですが、胚乳は極核と精細胞(花粉)が受精します。極核は「減数分裂した細胞が体細胞分裂してできた2つ」です。元のゲノムが Yy なら、まず減数分裂で Y or y になり、体細胞分裂なので「Y+Y」か「y + y」で待っていることになります。
従って、YY or yy と Y or y の2×2の表を描いて考えれば、「YY,Y、YY,y、yy,Y、yy,y の 1:1:1:1」 となります。
以上より、正解は 1 です。
ちなみにメタキセニアとは、果実の種皮といった母親由来の細胞に、受粉した花粉の遺伝子の影響がただちに形質として現れる現象のことです。胚乳に影響が現れるキセニアと区別して用いられる用語です。また、超優性とは、二倍体生物におけるヘテロが、対応するいずれのホモ個体よりも高い適応度を示すことです。
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