問 題
果樹の栽培管理に関する記述として最も妥当なのはどれか。
1. 果樹苗木の繁殖には栄養繁殖と種子繁殖の二つがある。栄養繁殖は最も広く用いられている方法で遺伝的均一性が求められるカラタチ台の繁殖にも用いられている。一方種子繁殖は栄養繁殖が困難な穂木を養成する場合に用いられている。
2. 落葉果樹の苗木の植付けは休眠期には行わず落葉前に行う秋植えと発芽後に行う春植えとがある。寒冷地や豪雪地では秋植えすると苗木が寒害や雪害を受ける危険があるので春植えが望ましい。
3. 果実の収穫前に葉の光合成を盛んにして果実内の貯蔵養分を増すことを目的に速効性の窒素肥料を主体に施用することを、秋肥(礼肥)という。秋肥が多過ぎると果実の糖度を下げることがあるので注意する。
4. 果樹の種類や品種によっては自家不和合性のもの花粉に稔性のないもの花粉がないか少ないものなどがある。このような場合受粉樹として花粉供給用の品種を適度に混植する必要がある。
5. 現在栽培している品種の樹齢が古くなったため収益性が低下し収益性の高い別の品種に更新する場合現在の品種の枝に新品種の穂木を接ぎ木して品種更新を図ることがある。この方法を二重接ぎという。
解 説
選択肢 1 ですが
台木に遺伝的均一性は求められません。よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
春植えとは、発芽「前」に植付けを行うことです。発芽後ではありません。よって、選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
秋肥(礼肥)は、収穫が終わる頃に追加する肥料のことです。この目的は、果実形成で収奪された養分の補給、貯蔵養分の補充、翌年の着花や新梢の伸長の準備といった目的です。「果実内の貯蔵養分を増すこと」は、妥当ではないと考えられます。よって、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 は、妥当な記述です。
選択肢 5 ですが
記述は高継ぎです。二重接ぎは、台木→甲→乙と接ぐ方法です。よって、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 4 です。
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