問 題
中世ヨーロッパに関する記述として最も妥当なのはどれか。
- 教皇インノケンティウス3世はクレルモン公会議を開き十字軍を提唱した。13世紀初頭の第4回十字軍はイスラーム勢力からイェルサレムを奪回しイェルサレム王国を建国した。
- 十字軍をきっかけにイタリアが東方貿易の拠点となりヴェネツィアなどの地中海の海港都市が栄えた一方で北海・バルト海沿岸のハンブルクなどの都市は衰退した。
- 13世紀のイギリスではジョン王が財政の窮乏を重税で賄おうとしたがこれに不満を持つ貴族らが国王に反抗し大憲章を認めさせ国王の課税権を制限した。
- 14世紀のスペインではペストの流行による労働力の減少を補うため国王が賦役を重くしたことに対し諸侯や騎士がワット=タイラーの乱を起こして反抗し国王の権力は弱まった。
- 14世紀のフランスでは教皇が聖職者への課税を主張したフィリップ4世を破門する一方,貴族・商人・平民の三身分を代表する三部会は聖職者への課税を決めた。
正解 (3)
解 説
選択肢 1 ですが、1095 年、クレルモン公会議で、「教皇ウルバヌス 2 」世が十字軍を提唱し、「第1回」十字軍がイェルサレム王国を建国しました。よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが、ハンブルクは北海貿易の中心です。後のハンザ同盟の主要都市となります。衰退した、という記述は明らかに誤りです。よって、選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 は、妥当な記述です。
選択肢 4 ですが、1381 年、ワットタイラーの乱は、農民の反乱です。「諸侯や騎士が」ではありません。よって、選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 ですが、フィリップ 4 世が教皇と対立した際、新税を承認させたのが三部会の始まりです。三部とは1:聖職者、2:特権階級、3:非特権階級(商人、農民など) です。よって、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 3 です。
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