問 題
円管内を流れる流体の流動状態は、層流と乱流に大別することができる。流体の流動状態に関する記述㋐ ㋑ ㋒のうちから妥当なもののみを全て選び出しているのはどれか。
㋐ 流速が上がると流動状態は層流から乱流へ移行するが流体の粘度が小さくなると低い流速でも乱流へ移行するようになる。
㋑ 流動状態を決定する無次元数はレイノルズ数であるが流体の密度はレイノルズ数に影響しない。
㋒ 流動状態が層流の場合、円管の中心軸から半径方向の流速分布は位置によらず一定となっておりこの様な流れはピストン流と呼ばれている。
- ㋐
- ㋐ ㋑
- ㋐ ㋑ ㋒
- ㋑ ㋒
- ㋒
正解 (1)
解 説
レイノルズ数 Reとは、Re = Vd/ν で定義される無次元数です。Reが 4000 程度以上が乱流、2000程度以下が層流 です。流体の密度をρ,粘性率をμ、動粘性率を ν = μ/ρ とするとき
流体の粘度が小さい = ν が小さい
→ Re は同じ V でも大きい
→ 低い流速でも乱流へ移行 となります。
以上より、㋐が正しく、㋑は誤りです。正解は 1 です。
ちなみに、記述 ㋒ は「栓流」についての記述と思われます。栓流と関連する用語としては中心軸から半径方向への流速がどんどん小さくなる流れを「放物線流」と呼びます。ピストン流とは「一方向への流れ」のことです。
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