公務員試験 H26年 国家一般職(化学) No.25解説

 問 題     

水溶液 A、B、C は、Ag+ Fe2+ Al3+ のいずれかの硝酸塩が溶解したものであり、これらには次のような性質がある。A、B、C それぞれに含まれているイオンの組合せとして最も妥当なのはどれか。

A 水溶液は弱酸性であり、K3[Fe(CN)6] 水溶液を加えると青色の沈殿を生じる。

B アンモニア水を加えると白色沈殿を生じる。この沈殿は希塩酸を加えても、 NaOH 水溶液を加えても溶解する。

C 希塩酸を加えると白色の沈殿を生じるが、この沈殿はアンモニア水を加えると溶解し、無色の水溶液となる。

A B C
1. Ag+ Al3+ Fe2+
2. Al3+ Ag+ Fe2+
3. Al3+ Fe2+ Ag+
4. Fe2+ Ag+ Al3+
5. Fe2+ Al3+ Ag+

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

記述 A ですが、フェリシアン化カリウムのように「[(CN)6]」が出てきたら鉄イオンに関する記述です。選択肢より、Fe2+ に関する記述です。

ちなみに、Fe2+(淡緑色) と フェ「リ」シアン化カリウム(K3[Fe(CN)6]) で濃青色の、ターンブル青 が沈殿します。一方、Fe3+(黄褐色) と、フェ「ロ」シアン化カリウム(K4[Fe(CN)6])で濃青色の、ベルリン青 が沈殿します。

これらの組合せでは Fe2+ に対しては、鉄の酸化数 3 のフェ「リ」シアン化カリウムが対応し、Fe3+ に対しては、鉄の酸化数 2 のフェ「ロ」シアン化カリウムが対応しているという点を覚えておくとよいです。
 
記述 B ですが、「過剰の水酸化ナトリウムを加えても溶ける」ときたら両性元素(「ああ、すんなり」→「Zn、Al、Sn、Pb」)です。選択肢より、Al3+ に関する記述です。
 
記述 C は、残りなので、Ag+ です。ちなみに、Cl を加えて沈殿ができるのはAg+ か、Pb2+ です。さらに、これらの沈殿はAgCl(白)が、「過剰の NH3 に溶ける」、PbCl2(白) が、「熱湯に溶ける」という性質があります。

以上より、正解は 5 です。 

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