公務員試験 H26年 法務省専門職員 No.48解説

 問 題     

労働と家庭生活に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1. 内閣府が策定した「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」によると、ワーク・ライフ・バランスとは、我が国では 20 歳以上 60 歳未満の女性に対象を限定した施策であり、人口減少社会の到来に備え、次世代の労働力を確保しようとする考え方である。

2. 我が国の女性の労働力率 (15歳以上人口に占める労働力人口の割合) は、結婚・出産期に当たる年代に一旦低下し、育児が落ち着いた時期に再び上昇するという、いわゆるM字カーブを描くことが知られており、近年M字の谷の部分が深くなる傾向にある。

3. 育児・介護休業法*1 により、労働者は、その養育する一歳に満たない子について事業主に申し出ることにより、育児休業を取得することができる。厚生労働省の調査*2 によると、育児休業の取得率は、1996 (平成8) 年度以来男女ともに一貫して増加しており、2012 (平成24) 年度の男性の育児休業取得率は約3割である。

4. 育児・介護休業法*1 により、事業主は原則として、その雇用する労働者のうち、その三歳に満たない子を養育する労働者であって育児休業をしていない者に関して、当該労働者の申出に基づき、所定労働時間を短縮することにより、当該労働者が就業しつつ子を養育することを容易にするための措置を講じなければならないとされている。

5. 育児・介護休業法*1 により、事業主は、育児休業や介護休業の申出をしたこと又は取得したことを理由として、労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないとされているが、ここでいう不利益な取扱いとは降格や減給等を指し、期間を定めて雇用される者について契約の更新をしないことは該当しない。

(注)*1 正式には「育児休業介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」
*2 平成24年度雇用均等基本調査

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

選択肢 1 ですが
ワーク・ライフ・バランスの対象は、性別に関わらず働く人すべてです。20 ~ 60 女性限定というわけではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
M 字の谷は近年浅くなっています。「近年、M 字の谷が深くなる傾向」ではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
男性の育休取得率が約 3 割に違和感を覚えるのではないでしょうか。男性は上昇が見られますが、試験時点で 5% 程度です。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当な記述です。
短時間勤務制度です。

選択肢 5 ですが
不利益取扱として、当然ながら契約更新回数の引き下げなども含まれます。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 4 です。

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