問 題
ひとり親家庭の現状及び支援施策に関する記述として最も妥当なのはどれか。
1. 厚生労働省の調査*1 によれば、ひとり親世帯になった理由別の構成割合は、母子世帯*2 、父子世帯*3 ともに、生別(離婚など)よりも死別の方が多い。
2. 厚生労働省の調査*1 によれば、就業している母子世帯*2 の母及び父子世帯*3 の父について、従業上の地位を見ると「パート・アルバイト等」と「正規の職員・従業員」では、母子世帯の母は前者の方が割合が高く、父子世帯の父では後者の方が割合が高い。
3. 厚生労働省の調査*1 によれば、母子世帯*2 の平均年間収入よりも、父子世帯*3 の平均年間収入の方が高い。また、世帯の年間収入の構成割合を見ると、年間収入300万円未満の世帯は母子世帯で約3割、父子世帯で約1割である。
4. 母子及び寡婦福祉法においては、母子家庭等の児童の健全育成を目的として、経済的困窮を防止するため、児童を監護しない親に対して養育費の支払いを義務付ける規定が設けられている。
5. 母子自立支援員は、母子家庭の母や寡婦の相談に応じ、その自立に必要な情報提供及び指導等を行っており、厚生労働大臣により委嘱され、児童委員が兼務することとされている。
(注)*1 平成23年度全国母子世帯等調査
*2 父のいない児童(満20歳未満の子どもであって未婚のもの)がその母によって養育されている世帯
*3 母のいない児童(満20歳未満の子どもであって未婚のもの)がその父によって養育されている世帯
解 説
選択肢 1 ですが
ひとり親世帯になった理由として死別は年々減少しており、近年は母子は 10% 弱、父子は 15% 強程度です。死別の方が多いということはありません。選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 は妥当な記述です。
選択肢 3 ですが
母子世帯の平均年収が 250 万円弱、父子世帯の平均年収が約 400 万円です。母子世帯において 300 万未満の世帯が約 3 割は少なすぎます。選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 ですが
養育費の支払いについては試験時点において、努力義務です。支払いを義務付ける規定が設けられているわけではありません。選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 ですが
児童委員が兼務するのは「民生委員」です。母子・父子自立支援員ではありません。選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 2 です。
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