問 題
教育思想家についての記述A~Dとその人名の組合せとして最も妥当なのはどれか。
A. 著書『エミール』の中で、「わたしたちは、いわば二回この世に生まれる。一回目は存在するために、二回目は生きるために。」と述べ青年期を「第二の誕生」と呼んで、子ども時代とは全く異なる教育を行うことを求めた。
B. 著書『人間の教育』の中で、人間の本性を神性(完全)なものとして捉え、人間の発達をこの本性の連続的な展開とみなし、教育はこの展開を助成することであると主張した。また、幼稚園の創始者としても知られている。
C. 著書『大教授学』は、人類共通の知識体系の確立、万人に共通の教育の主張とそのための教育改革を提唱し、教育史上最初の体系的な教育学の著作とされる。また、世界最初の絵入り教科書『世界図絵』の著者としても知られている。
D. 著書『隠者の夕暮れ』の中で、「玉座の高きにあっても、木の葉の屋根の陰に住まっても同じ人間」と述べ、孤児院を経営し、貧民の子弟の教育に熱心に取り組んだ。また、人間の知・徳・体の諸能力の調和的発展の基本は、家庭及び万人就学の小学校での基礎陶冶にあると主張した。
解 説
記述 A ですが
「エミール」、「第二の誕生」というキーワードから、J.J.ルソーとわかります。正解は 3 ~ 5 です。
記述 B ですが
「人間の教育」、「幼稚園の創始者」とくれば、F.フレーベルです。正解は 3 or 5 です。
記述 C ですが
「大教授学」は、J.A.コメニウスです。男女貴賤なく、すべての人が学校へ行く国民普通教育を提唱しました。学校に懲罰、叱責、倦怠は無用であり、迅速、愉快に、徹底的に学ぶところでないといけないと主張しました。
記述 D ですが
「隠者の夕暮れ」は、J.H.ペスタロッチです。教育実践者として孤児院を開いたりしました。直観教授法を確立したとされます。
ちなみに
J.ロック は、著書「教育に関する若干の考察」、「精神白紙説」(タブラ・ラサ)などがキーワードです。
A.S.ニイルは、自由教育を唱え「サマーヒルスクール」を作りました。
A.S.マカレンコは、集団主義教育を一般化しました。
J,F.ヘルバルトは、著書「一般教育学」で教育学をはじめて体系的に理論化しました。後に弟子たちが「五段階教授法」として定式化します。
以上より、正解は 5 です。
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