公務員試験 H26年 国家一般職(行政) No.67解説

 問 題     

M.ヤングのメリトクラシーに関する記述として最も妥当なのはどれか。

1. 教育は生産活動における各個人の生産能力を高めるといった議論に基づき教育を投資活動とみなし教育によって高められた生産能力を持つ人間のことを指す。教育が高める生産能力としては分析力や思考力判断力コミュニケーション能力等が挙げられる。

2. 出生した家柄や生来の血筋等によって人の将来が決定されるのではなく本人の業績(実力や成果)に応じて仕事や報酬社会的地位が決まり能力の高い人が社会を支配するシステムのことを指す。業績主義あるいは実力社会と訳されることもある。

3. 陸上競技のトラックのように生徒がどのようなランクやタイプ(校種や学科など)の学校に入学するかによってその後に受ける教育の内容や方法が変化し将来の進路選択の機会や範囲が限定されてしまうことを指す。同一トラック内では生徒が同質的なため効率的な教授学習が期待できるが選抜性や不平等性に問題があることが指摘されている。

4. イギリスの社会で話される言葉が階級によって異なっていることを指す。一方は中産階級で話される抽象的で論理的な言語で他方は労働者階級で話される具体的で情緒的な言語である。学校では主に中産階級で話される言語が使用されるので労働者階級の子どもは学校教育に馴じみにくく不適応を起こしやすい。

5. 学校教育と家庭生活の社会生産関係は対応するよう構造付けられているとする原理を指す。この原理によれば教育システムは生産における社会的諸関係を普遍的に取り入れることによって人格の発達を産業社会の要請に適合させている。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

M.ヤングは、「能力」に基づく社会的地位への選抜・配分を基本原理とする「メリトクラシー」を造語した人です。

「本人の業績(実力や成果)に応じて」「能力の高い人が社会を支配する」といった記述から、選択肢 2 が妥当と考えられます。

以上より、正解は 2 です。

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