公務員試験 H26年 国家一般職(行政) No.22解説

 問 題     

時効の援用権に関するア~オの記述のうち、判例に照らし、妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

ア. 時効は、当事者が援用しなければ裁判所がこれによって裁判をすることができないが、この当事者には時効によって直接に利益を受ける者だけではなく、抵当不動産の第三取得者のような間接的に利益を受ける者も含まれる。

イ. 物上保証人は被担保債権の消滅時効を援用することができない。

ウ. 債権者は、債務者が他の債権者に対して負っている債務の消滅時効を援用することはできないが、その債務者が援用権を行使しないときは、債務者が無資力であれば、自己の債権を保全するに必要な限度で、債権者代位権に基づいて債務者の援用権を代位行使することができる。

エ. 詐害行為の受益者は、詐害行為取消権を行使する債権者の有する債権の消滅時効を援用することができる。

オ. 後順位抵当権者は、先順位抵当権の被担保債権の消滅時効を援用することができる。

1. ア、イ
2. ア、ウ
3. ウ、エ
4. ウ、オ
5. エ、オ

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

記述 ア ですが
「当事者」に抵当不動産の第三取得者は含まれます。しかし、抵当不動産の第三取得者は「直接に利益を受ける者」です。「間接的に利益を受ける者」ではありません。また、「間接的に利益を受ける者」は「当事者」に含まれません。記述 ア は誤りです。

記述 イ ですが
物上保証人は「当事者」に含まれます。従って、消滅時効の援用ができます。記述 イ は誤りです。

記述 ウ は妥当です。
債権者代位権(民法 423 条)に基づく援用の代位行使についての記述です。

記述 エ は妥当です。
詐害行為の受益者における時効の援用についての記述です。

記述 オ ですが
後順位抵当権者は「間接的に利益を受ける者」です。従って、当事者に含まれず、消滅時効の援用はできません。記述 オ は誤りです。

以上より、正解は 3 です。
※ 時効の援用 145 条、債権者代位権 423 条 共に改正ありですが、本問題を解く際に影響はありません。

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