公務員試験 H26年 国家一般職(行政) No.21解説

 問 題     

無効と取消しに関するア~カの記述のうち、妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

ア. 表意者は、意思表示の要素に錯誤がある場合、その意思表示を取り消すことができる。

イ. 表意者は、強行法規に反する法律行為を取り消すことができる。

ウ. 公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は無効とされる。

エ. 強迫による意思表示は無効とされる。

オ. 不法な条件を付した法律行為は無効とされる。

カ. 成年被後見人の法律行為は無効とされる。

1. イ、エ
2. ウ、オ
3. ア、ウ、カ
4. イ、エ、カ
5. ウ、エ、オ

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

※2020.4.1~ 改正民法 により、注意点有

記述 ア ですが
試験時点において、誤りです。旧民法 95 条により「無効」でした。※改正民法 95 条第 1 項:『意思表示は・・・錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。』

記述 イ ですが
民法 90 条、91 条より、強行法規に反する法律行為は「無効」です。「取り消すことができる」わけではありません。記述 イ は誤りです。

記述 ウ は妥当です。
民法 90 条です。

記述 エ ですが
民法 96 条によれば「詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができ」ます。「無効」ではありません。記述 エ は誤りです。

記述 オ ですが
不法な条件とは、例えば「人を殺したら」といった条件です。民法 132 条により、妥当です。

記述 カ ですが
民法 9 条によれば「成年被後見人の法律行為は、取り消すことができ」ます。「無効」ではありません。

以上より、正解は 2 です。
※記述 ア、民法 95 条について、新旧の違いによる影響があります。注意して学習しましょう。

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