公務員試験 H26年 国家一般職(高卒 技術) No.88解説

 問 題     

コンクリートに関する記述㋐ ㋑ ㋒の正誤の組合せとして最も妥当なのはどれか。

㋐ コンクリートは、水セメント比が大きくなるほど、圧縮強度が大きくなる。

㋑ スランプ値が大きいコンクリートほど、流動性は大きいが、分離やブリーディングが生じやすい。

㋒ コンクリートの中性化は、骨材中の成分がセメントペーストに含まれるアルカリ成分と化学反応を起こして水分を吸収し、骨材が膨張を起こす現象である。

 ㋐  ㋑  ㋒
1. 正  正  誤
2. 正  誤  正
3. 正  誤  誤
4. 誤  正  誤
5. 誤  誤  正

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

㋐ですが
水セメント比とは、練り混ぜた直後のコンクリートやモルタルに含まれる水とセメントの比率です。W/C で表されます。「W/C が大きい」ほど圧縮強度は「減少」します。よって、記述㋐は誤りです。

㋑は、妥当な記述です。
バケツのようなもの(スランプコーン)に生コンクリートを入れ、棒で撹拌した後、逆さにして置き、スランプコーンを上にズポッと引き上げます。すると、コンクリートの固まりがずるずるっと滑って広がっていきます。これをスランプ試験と呼びます。コンクリートの頂部がどれだけ下がったかがスランプ値です。スランプ値が大きいほど、流動性が大きいといえます。

㋒ですが
記述は「アルカリ骨材反応」です。
中性化とは、セメントの水和反応で生じた水酸化カルシウム(Ca(OH)2)が、大気中の二酸化炭素(CO2)と反応し、中性に近い炭酸カルシウムに変化する現象です。共に鉄筋コンクリート構造物の劣化現象の一種です。

以上より、誤、正、誤です。正解は 4 です。

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