公務員試験 H26年 国家一般職(電気・電子・情報) No.22解説

 問 題     

図のように、磁性体に導線が一様に巻かれた環状コイルがある。コイルの平均半径が r 、磁性体内部の中心磁界の強さが H、コイルの巻数が N 回であるときコイルに流れる電流 I の大きさとして最も妥当なのはどれか。ただし磁束は磁性体の外部に漏れないものとする。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

環状ソレノイドが出てきたら、内部の磁界の強さ H = NI/2πr です。これを基本知識として思い出します。I = になおせば、I = 2πrH/N なので、正解は 1 です。

ちなみにこの式の導出はアンペールの法則によります。アンペールの法則は、電流とその周りにできる磁場との関係を表します。

s を線積分における線素とすると、アンペールの法則によれば 「∫ H(r) ・ds = 閉曲線を貫く全電流」です。閉曲面として、問題文の図の H 点線 のような円を考えます。

N 巻きのコイルに I 流れているので、右辺は NI です。左辺の積分部分は H(r) と ds(r) の方向が平行なので、内積は結局大きさになります。よって H(r)・ds(r) = |H(r)|・|ds| なので、|H(r)| を外に出してしまえば、積分部分∫ds は 円周なので 2πr です。よって 2πr H = NI で、H = NI/2πr です。I について解けば、I = 2πrH/N です。

以上より、正解は 1 です。

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